【戸建てを貸す】際のメリット・デメリットは？

戸建て（一軒家）を貸す際のメリット

戸建てを貸すことによって得られるメリットについて考えてみましょう。

賃貸収入が入る

戸建てを貸す際のメリットとして、第一に賃貸収入が入ってくる点が挙げられるでしょう。

戸建てを人に貸すことで、借り手がいる限りは定期的に家賃収入を得ることができます。一般的に仕事で得られる給与収入にプラスして副収入が得られるので、経済的にも余裕が生まれることでしょう。

また賃貸収入の場合、通常の副業とは違って労働せずに利益を生み出せる点も魅力的です。もしも突然給与収入が減ってしまったり、体調を崩して働けなくなったりした時にも、賃貸収入があることでリスク回避に役立つことがあるかもしれません。

家の劣化を防ぐことができる

家の劣化が防げるという点も、戸建てを貸し出すメリットの一つです。住む人がいなければ、家は劣化しやすい状態に陥ってしまいます。人が住むことによって、家の老朽化が軽減できるのです。

住んでいる人がまめに掃除をしたり、窓を開けたりして換気を行うことで、ほこりが溜まったりカビが発生してしまったりすることもありません。

そして人が住んで管理をしてくれるということは、資産価値を維持するためにも効果的です。さらに空き家にしておくより、貸し出す方が固定資産税を安く抑えられるというメリットもあります。

改めて戸建てに戻ることもできる

場合によっては、戸建てを貸し出した後に改めて戻ることも可能です。

たとえば戸建てに住んでいても、転勤などの理由で一時的に家を離れるケースもあります。そのようなときは、家を売却してしまうより、貸し出しを積極的に検討するべきでしょう。

売却してしまうと、転勤が終わった際に再度家を購入する必要が生じます。そうなると購入費用を用意しなくてはならないため、大きな負担となるでしょう。ですが、家を貸し出すだけならばそのような負担を強いられることはありません。

そうすることにより、転勤が終わったタイミングで住み慣れた我が家での生活を再開することができます。

戸建て（一軒家）を貸す際のデメリット

戸建てを貸し出すことは、メリットばかりではありません。次に、戸建てを貸す際のデメリットについて考えてみましょう。

借り主がなかなか見つからない

戸建てを貸す際のデメリットとして、借り主がなかなか見つからないといった事態が考えられます。

借り主が決まらなければ支出だけが発生し続けてしまうので、管理上のリスクにもなり得ます。どのような一軒家であっても、すぐに借り主が見つかるとは限りません。マンションとは違い、 一軒家の借り手は子育て世代に限定されることが多くなっています。

そして立地条件を優先するとマンションの方が利便性が高くなるため、一軒家の借り主を見つけるのは容易ではありません。特に人口が減少している地域の一軒家であれば、借り主探しに苦労した挙句、相場より安い価格で貸し出すこともありえるでしょう。

空き家のリスクも考えられる

当たり前の話ではありますが、借り主が決まらなければその間の家賃収入はゼロのままです。 収入が入らないにも関わらず物件をいつまでも空けておくことはもったいない上、維持・管理にもお金がかかります。

ローンがまだ残っている場合は、返済のために貯金を切り崩したり、給与から直接返済に充てる必要も出てくるでしょう。

さらに一軒家の場合、一度入居者が決まっても3割以上の方が3年以内に退去するというデータもあります。そして、次の入居者が1年経っても見つからないというケースも珍しくないのです。

戸建てを貸し出すといっても、常に家賃収入が得られるわけではありません。

税金等の確定申告を行う必要がある

不動産を貸し出す際には、税金等の確定申告を行う必要があります。会社員として働いている人の中には、今まで確定申告の手続きを自分でやったことがないという方も多いのではないでしょうか。

一般的に正社員であれば、企業側で年末調整を行なってくれます。そのため、自分で税務署へ出向いて確定申告をする必要はありません。しかし家賃収入は給与とは別扱いとなる所得にあたるので、自分で確定申告を行わなければならないのです。

確定申告では所得を正確に計算して、定められた期間内に書類を提出することが求められます。初心者には、非常に面倒な手続きになることも間違いありません。

戸建て（一軒家）を貸す際の流れ

戸建てを貸すメリット・デメリットを確認したところで、次に戸建てを貸し出す際の一連の流れについて見ていきましょう。早速、戸建てを貸す際の流れを4つのステップに分けて具体的にご紹介していきます。

STEP1：不動産会社選びを行う

まずは、賃貸物件を扱っている不動産会社を探しましょう。

ひとくちに不動産会社といっても、得意分野はそれぞれ異なります。ですので賃貸物件を扱っていることや、賃貸物件に強みを持っていることを条件として探してみることをおすすめします。

なぜなら不動産会社の中でも、売買専門でしか業務を行っていない会社もあるからです。また賃貸物件を主に取り扱っている不動産会社でも、一軒家に強いのか集合住宅に強いのかは異なる場合もあります。

業者ごとに提供しているサービス内容が違うこともあるので、不動産会社選びは念入りに行なってください。

STEP2：不動産会社との契約

利用する不動産会社を選んだら、次に不動産会社との契約を行います。

契約には媒介契約と代理契約という2種類があります。不動産会社が入居者を募集するという点では、どちらも同じです。しかし媒介契約と代理契約では、誰を入居させるのかという決定権が異なります。

自分で入居者を選んで、信頼できる人に貸したいのであれば媒介契約がおすすめです。不動産会社に全てを委託したい場合は、代理契約を結びましょう。

代理契約の方が不動産会社の裁量が大きく、募集活動に力を入れてもらいやすいというメリットもあります。入居者への条件が特にないのであれば、代理契約が向いているでしょう。

STEP3：入居者を実際に募集する

不動産会社との契約が済んだ後は、実際に入居者を募集しましょう。

その際に賃料や入居の条件など、具体的なことを決めておく必要があります。特に、賃料設定は入居者を得るための重要なポイントです。賃料を高く設定するほど利益は大きくなりますが、入居者の獲得は難しくなります。

逆に賃料を安くすると入居者が獲得しやすい分、利益は小さくなってしまいます。その場合は、家を貸し出しても損失が出てしまうことも考えられるでしょう。

このように、賃料の設定はバランスを取ることが非常に難しいのです。賃料については不動産会社に相談するか、周辺の物件も参考にして決めることをおすすめします。

STEP4：賃貸契約を結んで貸し出す

入居者の募集後、入居希望者が現れた場合は内覧をしてもらい、各種条件でも合意を得られればいよいよ契約です。もしも内覧で契約の合意まで至らなかった場合には、次の希望者に来てもらい契約が結べるまでこのステップの繰り返しとなります。

なお、内覧の際は立ち会い不要です。すでに別の住居に住んでいる場合は、不動産会社と書類をやりとりするだけで構いません。

賃貸契約を結んで家を貸し出すことで、ようやく家賃収入が得られるようになります。

戸建て（一軒家）を貸す際の注意点は？

戸建てを貸す際の注意点として、自分に合った契約形態を選ぶことが挙げられます。賃貸借契約には普通借家契約と定期借家契約の2種類があるので、どちらか自分に合っている方を選びましょう。

普通借家の方は、契約期間が満了しても正当な事由がない限り、貸主側から更新を拒絶することはできません。一方で、定期借家は期間満了とともに契約終了となります。家に戻る予定があるのなら、必ず定期借家契約で契約を結びましょう。

また住宅ローンが残っている家を賃貸にするには、融資している金融機関の承諾が必要になります。戸建てを貸し出す際には、まずローンを借りている金融機関に相談しましょう。

まとめ

戸建ての賃貸は、毎月賃料を得られるなどのメリットがあります。それと同時に、多数のリスクがあることも事実です。

実際に戸建てを貸し出す際には様々な注意点についても留意して、無理なく適切な賃貸経営を目指しましょう。