2023.04.7

【マンション管理会社変更】流れと注意すべきこと

はじめに

「管理費用が高いからマンション管理会社を変更したい」
「マンション管理会社の変更の流れを知りたい」

マンション管理組合の方の中には、そのようにお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。本記事では、現状のマンション管理会社に不満があり「管理会社を変更したい」とお考えの管理組合の方へ、マンション管理会社の変更に関する流れや注意点を解説します。

マンションの管理者会社を変更することはできる?

結論から言うと、マンションの管理会社を変更することはできます。

● 管理内容の割に管理委託費が高い
● 設備の故障や破損があっても、ずっと放置されている
● 管理員の対応が悪い

マンションの管理会社を変更する理由としては、主に上記のような理由が挙げられます。オーナーからの不満で、このようなことが多いようであれば管理会社の変更を検討してみるとよいでしょう。

マンションの管理会社を変更する際の注意点

● 管理の質が低下するような変更はしない
● 漏れのない引き継ぎを行う
● 理解が得られないオーナーとトラブルにならないように十分な説明を行う

もしマンションの管理会社変更を検討しているのであれば、特に上記の点に注意が必要です。

管理費削減のために管理会社を変更する場合、変更によって質が落ちるとかえってオーナーからの不満が増える可能性があります。

たとえ管理費を削減しても、管理会社変更によって今より管理の質が落ちることがないよう、信頼できる管理会社を選ぶことが大切です。

そして、管理会社の変更には現状の管理会社から新しい管理会社への「引き継ぎ」が伴います。管理規約内容の引き継ぎは必ず行わなければなりませんが、それ以外にも管理組合とマンション管理会社の間で決めた約束事があれば、それも漏れなく引き継ぐ必要があります。

明文化されていない内容が意外と重要であることもあります。また、管理会社の変更には、総会出席者の過半数以上の同意があれば変更できますが、反対のオーナーへの十分な説明がないと管理会社変更後にトラブルになることもあります。

マンションの管理会社を変更する際の流れ

1. 現状の管理会社の不満な点を洗い出す
2. 新規の管理会社を探し始める
3. 理事会でプレゼン開催
4. 総会準備
5. 総会審議
6. 現状の管理会社を解約
7. 新規の管理会社と契約
8. 管理会社への引き継ぎ

マンションの管理会社を変更するには多くの手順を踏む必要があり、流れとしては上記が例となります。

1.現状の管理会社の不満な点を洗い出す

まずは、現状の管理会社の不満な点を洗い出しましょう。

理事会役員だけでなく、オーナーへもアンケートをとって今の管理会社に対する不満を集約します。集約した不満によっては、管理会社を変えなくても今の管理会社へ相談して改善できる場合もあるでしょう。

なお、アンケートは必ず「すべての」理事会役員・オーナーを対象に行い、ヒアリングを行うことが大切です。

2.新規の管理会社を探し始める

不満点の集約ができたら、新規の管理会社を探し始めます。

しかし、ほかの管理会社の詳しい情報を入手するのはなかなか困難です。そのため、以下の方法で新規の管理会社を探すこともおすすめです。

● ほかの分譲マンションに住んでいる知人をあたって管理状態を聞いてみる
● マンション管理士などの専門家に相談してみる

もし分譲マンションに住んでいる知人がいれば、知人が住んでいるマンションの管理会社と管理状況を聞いてみることをおすすめします。清掃が行き届いていたり、掲示板が見やすく整えられていれば、管理会社の管理が行き届いていることが想像できます。

また、「マンション管理士」や「コンサルティング会社」などの、第三者の専門家に相談してみるのもおすすめです。この場合、マンション管理会社変更の相談実績が豊富なところに相談することをおすすめします。

上記2つの方法を用いながら、5社程度の管理会社から見積もりを取ってみましょう。

3.理事会でプレゼン開催

複数の管理会社から見積もりを取ったら、各社の提案内容や金額を整理して理事会でプレゼンを行います。

プレゼン対象とする管理会社は、あまり多いと時間がかかって大変なため3社程度に絞るのがよいでしょう。

プレゼンには、管理会社の営業担当者だけでなく、実際の管理担当者にも参加してもらえると人柄や雰囲気がわかるので、出席してもらうようお願いしてみましょう。

この理事会の結果を踏まえて、推薦する管理会社を1社に絞ります。

4.総会準備

推薦する管理会社を1社に絞ったら、マンションオーナー向けに総会を開く準備をします。

総会開催日を決定し総会議案書を作成したら、全オーナーに配布して総会の出欠確認を取ります。例年の通常総会の時期がまだ先であれば、「臨時総会」を開いても構いません。

なお総会議案書の作成については、通常現行の管理会社が協力しますが、頼みにくいこともあるため可能であれば新しいマンション管理会社に協力をお願いしてみてましょう。

5.総会審議

総会準備ができたら、オーナー向けに総会を開いてマンション管理会社の変更の経緯を説明します。また、新しいマンション管理会社より管理開始までの流れや、重要事項説明を行ってもらいます。

重要事項説明を行ってもらったあとに総会審議を行いますが、出席オーナーの過半数の同意があれば承認となります。

6.現状の管理会社を解約

総会で新しい管理会社への変更が承認されたら、現状の管理会社を解約します。

解約の申し出は、解約の3ヶ月以上前に現状の管理会社へ申し出なければなりません。現状の管理会社へ連絡して解約の旨を伝え、「解約通知書」を作成して提出するのが一般的です。

解約通知書は、国土交通省の「マンション標準管理委託契約書」に準拠して作成します。

7.新規の管理会社と契約

現状の管理会社へ「解約通知書」を提出したら、新しい管理会社と契約します。

新しい管理会社より提示される「管理委託契約書」に署名・捺印する前に、管理組合の理事会は、しっかりと契約書の中身を確認しましょう。

新しいマンション管理会社から説明があった重要説明事項の内容に、準じているかどうかを確認しますが特に以下の点についてはきちんと確認してください。

● 契約期間
● 解約予告期間
● 費用負担の内容
● 緊急時の対応内容

上記は、双方の認識が違っていると契約後に大きなトラブルとなるため、十分確認したうえで署名・捺印しましょう。

8.管理会社への引き継ぎ

新しい管理会社との契約が終わったら、管理会社の引き継ぎを行います。

現状の管理会社には、マンションに関するさまざまなものを預けているため、それらを新しい管理会社へ引き継ぐ必要があります。

具体的には、以下のようなものがあります。

● 管理組合の関係書類(竣工図面 / 名簿 / 総会議案書 / 過去の修繕履歴資料など)
● 通帳
● 印鑑
● 共用部の鍵
● 備品

このほかに、管理会社が変わることで電話回線の名義変更なども必要な場合があります。 物品の引き継ぎにおいては、マンション運営にとって非常に重要な物が多いので、理事長立ち合いで行うことをおすすめします。

また、新しい管理会社の管理員へ1週間の業務の流れを引き継ぐために、もし可能であれば現状の管理会社の管理員と一緒に、1週間程度勤務してもらうとよいでしょう。

まとめ

本記事では、マンション管理会社の変更に関する流れや注意点を解説しました。

マンションの管理会社変更は簡単にできるものではなく、いくつかの問題をクリアしなければなりません。候補として考える管理会社のことについて十分に調査するのはもちろんですが、管理組合やオーナーの理解を得ること、変更までに必要な流れの把握、漏れのない十分な引き継ぎを行うことも重要です。

ぜひ本記事を参考に、スムーズな管理会社変更を行いオーナーの満足度や資産価値の高いマンションをつくっていきましょう。

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