2023.03.2

【マンション経営に必要な初期費用】は?総額からランニングコストまで

はじめに

マンション経営には初期費用の他、ランニングコストとしてもさまざまな費用がかかります。マン ションを安定して経営していくためには、必要な費用に関する正しい知識が欠かせません。

この記事では、マンション経営に必要な初期費用の総額や内訳、またランニングコストについても詳しく解説していきます。

マンション経営に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

マンション経営に必要な初期費用の総額と内訳は?

マンション経営を検討している方は、家賃収入でどのくらいの金額が得られるのかといった収益面に目が行きがちです。

ただしマンション経営を始める際には、まとまった初期費用がかかります。収益面も大切なことではありますが、マンション経営においては費用面に関しても把握しておくことが大切です。

ここではまずマンション経営に必要な初期費用の総額や内訳について見ていきま しょう。

取得費用

まずは、マンションを取得するための費用が必要です。初期費用の中でも、この取得費用が内訳の大半を占めることになるでしょう。

マンションを購入する場合は購入費用、新しく建てる場合は新築工事代金がかかります。このとき、自己所有地がない場合は土地の取得費用もかかります。

建てる地域や広さ、建物の構造などによっても金額は変わりますが、おおよそ数千万円から数億円ほどはかかると見て間違いないでしょう。

火災保険料

住宅ローンでマンションを購入する場合は、保険への加入が必須とされていることもあります。火災保険とは、マンションが火災や落雷、強風などで受けた被害を補償してくれるものです。なお必須ではない場合でも、万が一のために前もって加入しておくことをおすすめします。

火災保険料は長期を一括で支払った方が、長い目で見ると安上がりです。しかし一括で支払う場合は、まとまった金額が必要となります。

アパートローン事務手数料

ローンを組んで物件を購入する場合は、利息以外にも諸費用が発生します。

たとえばマンションを購入するにあたってアパートローンを利用する場合には、事務手数料がかかります。事務手数料とは、ローンを組む際に金融機関に支払う手数料のことです。

事務手数料には、大きく分けて定額制と借入額によって金額が変動する定率制の2種類があります。金融機関によって設定額が異なるので、なるべく条件の良い金融機関を選ぶと良いでしょう。 定額制であれば、金額としては3万円程度が目安です。

登記費用

登記費用とは、登録免許税と登録不動産の登記の際に依頼する司法書士への報酬や手数料などを含めた、登記に関わる費用全体のことです。自分で登記する場合には、司法書士にかかる費用は必要ありません。

しかし実際には、オーナーではなく専門知識を持った司法書士に不動産登記を代行してもらうのが一般的です。司法書士への報酬はおおよそ10万円として、その他にも手続き上必要な費用として20〜40万円ほど見積もっておきましょう。

不動産取得税

不動産取得税とは、不動産を取得すると課税される税金のことです。

マンションを取得する際には1回限りではありますが、この不動産取得税を納める義務が発生します。不動産取得税は、不動産の固定資産税評価額に対し4%の税率で課されます。なお、2021年3月31日までに取得した不動産については、3%の税率で計算されます。

固定資産税評価額とは、不動産の公的な価格のことです。

評価額は実際の不動産の時価と比べて低い場合が多く、土地は時価の70%、建物は時価の50〜60%程度が目安といわれています。

仲介手数料

マンションを不動産会社の仲介によって購入した場合は、仲介手数料を支払う必要があります。 一方でマンションの売主が不動産会社である場合には、仲介手数料は発生しません。

仲介手数料は、法律によって請求できる上限額が定められており、仲介手数料の計算式は下記の通りです。

★購入価格×3%+6万円+消費税

あくまで仲介手数料は取引が成立した際に支払う成功報酬ですので、契約が成立しなかった場合は支払う必要はありません。

その他

マンション経営を始めるには、他にもさまざまな費用がかかります。

例えば、マンションの売買契約書やローンの契約書は課税文書となるため、収入印紙を貼付して印紙税を納めることも必要です。 印紙税の相場は、おおよそ2〜20万円程度です。

一般的にマンション経営に必要な初期費用額の目安は、不動産物件価格5%~10%+頭金といわれています。

マンション経営を始める際には、初期費用についても正しく理解しておきましょう。

マンション経営にかかるランニングコスト

マンション経営にかかるのは初期費用だけではありません。マンション経営を進めていく上で、さ まざまなランニングコストもかかります。

ここではそのランニングコストの内訳を詳しくご紹介しま しょう。

借入返済費用

まず、マンションを取得する際にアパートローンを組んでいた場合は、毎月ローンの返済額を支払う必要があります。この借入返済費用は、マンション経営にかかるランニングコストの中でも非常に大きなウエイトを占める部分となるでしょう。

どの程度のスパンで返済するのか、いくらお金を借りるのかによっても月々の返済額が異なってきます。

また元本だけでなく、金利も支払わなければなりません。金利には変動型固定型ミックス金利などがあります。

管理費用

管理費用とは、マンションの共用部分を維持・管理するために必要な費用のことです。

マンションの管理を管理会社に委託する場合は、この管理費用を支払わなければなりません。管理費用には、管理組合の運営費・共用部分の電気代・清掃費・常駐管理人の人件費などが含まれます。

管理をどこまで委託するのか、また管理会社によっても管理費用は異なります。基本的には、全部屋が満室の際の家賃総額の5%程度が目安になるようです。

火災保険料

火災保険料を年払いにしていた場合は、こちらも毎年支払う必要があります。逆に一括払いにしていた場合、すでに支払った年分については火災保険料がかかることはありません。なお、火災保険の契約は大体1年から最長10年となっています。

前述の通り、火災保険料はまとめて支払う方が費用を節約できます。そのため、マンションを購入した際に、10年分まとめて火災保険料の契約をしておいても損はないでしょう。

修繕費

マンションは経年劣化するため、場合によっては都度修繕を行う必要があります。

他にも共用スペースの修繕とは別に、部屋の改修やリフォーム費用が必要になることも。部屋の状態が悪くなると入居希望者が減り、空室になるリスクが増してしまいます。

そのため、入居者が入れ替わる際には原状回復としてリフォームを行うのが一般的です。またマ ンションの大規模修繕は大体12年周期とされており、将来的な建物の老朽化を見据えて長期的に修繕費を積み立てておく必要もあるでしょう。

固定資産税

固定資産税とは、所有している不動産にかかる税金のことです。

固定資産税は居住目的・投資目的を問わず、毎年1月1日時点で所有しているすべての不動産に対して発生します。要するにマンションの所有者は、毎年固定資産税を支払う義務があるのです。

固定資産税の納税額は、固定資産税評価額の1.4%と定められています。ただし建物の部分に関しては、毎年少しずつ評価額が落ちるので納税額も徐々に安くなっていくでしょう。

実際の税率は自治体によっても異なるため、きちんと確認しておく必要があります。

その他の税金

マンション経営のランニングコストとしては、固定資産税の他にもさまざまな税金がかかります。 例えば所得税や住民税などです。所得税は1年間の所得に対してかかる国税であり、住民税は地域に住む人に支払い義務が生じる地方税の一種です。

マンション経営を行うことでその分の所得が発生するため、1年間の家賃収入から各種経費を差し引いた金額に対して所得税や住民税が課されます。

マンション経営の収入と毎月の手取りはどのくらい?

マンション経営においては、家賃収入の20〜30%程度が毎月のランニングコストとして想定されます。

ただし、この金額は満室の状態をキープできていると仮定した場合の数値です。空室や家賃滞納などが発生した場合は、収入の部分がそれだけ少なくなってしまいます。

できるだけランニングコストを抑えるため、マンション経営や税金に関する知識をしっかり身に付けておくことをおすすめします。

まとめ

マンション経営は大きな収入を得やすくなる一方で、初期費用やランニングコストとしてまとまった金額を支払わなくてはなりません。

マンション経営に関する知識を前もって勉強しておいて、なる べくコストを抑えることが効果的でしょう。

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