2023.05.22

【アパート経営が儲からない】4つの原因と儲からない経営を回避する方法

はじめに

当然ながら、アパート経営者の中には「儲かる方」と「儲からない方」の2種類に分かれます。アパート経営に失敗する確率を低くするためにも、ぜひ参考にしてみて下さい。

アパート経営が儲からない4つの原因

1. そもそも誰も借りない
2. 新築プレミアムからの下落
3. ローンによる負債が大きい
4. 地域の都合で経営が傾く

 

アパート経営が儲からないのは、上記4つの原因であるケースが多いです。

1.そもそも誰も借りない

アパート経営は入居者からいただく家賃収入で儲けるため、部屋が借りられなければ儲かりません。

そして誰も借りない大きな原因は、立地が不便なことです。入居者が部屋を決める際に最も重視するのは、最寄り駅までの距離です。最寄り駅までの距離は、交通の利便性を向上させるカギになります。そのため、入居者が最寄り駅までの距離を重視したいのは当然でしょう。

つまり、最寄り駅が近い立地にアパートを建てるほど「借りたい」と答える方が多くなるのです。参考までに、入居者がこだわる最寄り駅までの距離(徒歩分数)は下記の通りです。

● 5分未満:6.2%
● 10分未満:31.8%
● 15分未満:39.2%
● 20分未満:14.5%

 

上記を見ると、7割以上の方が「駅から徒歩15分以内じゃないと住みたくない」と考えていることが分かります。そのため、最低でも最寄り駅まで徒歩15分の立地にアパートを建てる必要があるでしょう。

2.新築プレミアムからの下落

新築アパートの場合は、家賃を相場より10~20%高くしても入居者を獲得できます。これが、まだ誰も住んだことのない部屋だからこそ可能な新築プレミアム家賃です。

しかし、新築アパートから入居者が1度でも退去するとこの新築プレミアムの特権は終了します。実際、相場より高い家賃を払い続ける方は少ないため、長くても1~2年で退去する方が大半です。

つまり、新築プレミアムから下落し家賃を通常に設定したあとの収益が大きく激減した結果が、儲からない理由のひとつとなるのです。

3.ローン返済額による負債が大きい

アパート経営自体は利益が出ても、ローン返済額を支払うと手元に現金がほぼ残らないこともアパート経営が儲からない原因です。

なお、アパート経営の利益は下記の計算方法で算出します。

会計上の利益=家賃-(固定資産税・管理費・修繕費・火災保険料・減価償却費・ローンの利子)など

 

上記が会計上の利益ですが、こちらはプラスになることが大半です。最も肝心なのは、最終的に自分の手元に残るキャッシュフロー(現金)になります。

キャッシュフローは、会計上の利益から税金とローン返済額を差し引くことで算出が可能です。

キャッシュフロー=利益-(税金+減価償却費-ローン返済額)

 

要するにアパート経営を始める際の借入金額が多いと、ローン返済額も大きくなります。 そのため、最終的に残る現金がなくなり儲からないということです。

4.地域の都合で経営が傾く

地域の都合に左右されるのも、アパート経営が儲からない原因の1つです。

代表的なのは、大学生や大手企業の従業員をターゲットにしたアパート経営です。大学や大手企業の周辺でアパート経営をすると、その大学に通う学生や企業で働く従業員から入居者を大量獲得できます。こちらは一定の需要が毎年ありますし、立地として好条件でしょう。

しかし、大学や大手企業が移転もしくは倒産したら、自身のアパート経営は一変します。そのように、一時期はアパート経営が順調でも地域の都合で儲からなくなるケースがあります。

儲からないアパート経営を回避する3つの方法

1. 立地には細心の注意を払う
2. 自己資金を貯め負債を減らす
3. 特定の施設に依存しない

 

ここまで、アパート経営が儲からない原因を解説してきました。原因を熟知した上で、儲からないアパート経営を上記3つの方法で回避しましょう。

1.立地には細心の注意を払う

アパート経営は、立地が命と言っても過言ではありません。そのため、立地には細心の注意を払いアパート経営を行いましょう。

先述したように、最寄り駅までの距離を重視して物件選びを行う入居者が多いです。だからこそ、 最寄り駅が近い立地でアパート経営をするほど入居者を獲得しやすくなるでしょう。

しかし、交通の利便性だけが好立地の条件ではありません。

● 会社や学校が近い
● スーパーやコンビニに徒歩数分で行ける
● 病院が近く緊急時も安心
● 公園の近くや静かな場所
● 駐車場を確保できる

 

つまり、入居者の性別・年齢・家族構成によって好立地の条件は変わります。

会社員や学生の1人暮らしなら、職場や学校の近くが好立地でしょう。しかし、小さい子どもがいたりお年寄りがいたりする家庭の場合は、病院や公園の近くが好立地 かもしれません。

重要なのは、自身が経営するアパートは「どのような入居者向けか」を検討し、そ のニーズを満たす立地を選択することです。好立地な場所にアパートを建てると、新築プレミアムから下落しても対応できます。

もし土地を新たに購入してアパート経営を始めるなら、立地は慎重に決めましょう。

2.自己資金を貯め負債を減らす

自己資金が少ないと、土地も建物も借入を行ってアパート経営をするはずです。しかし、借入金額が多いほどローンの返済額も増えるため、儲かりにくくなるでしょう。

繰り返しになりますが、アパート経営は最終的に自分の手元に残る現金「キャッシュフロー」に余裕を持たせることが重要です。つまり、なるべく自己資金でアパート経営を開始し負債を減らしたほうが儲かりやすいのです。

そのため、十分な自己資金を貯めてからアパート経営を始めることも1つの選択肢になります。なお、自己資金の用意目安としては、初期費用の2~3割が理想です。

3.特定の施設に依存しない

大学や大手企業など、特定の施設に依存したアパート経営は避けましょう。

確かに、大学や大手企業の周辺でのアパート経営は非常に需要があります。なぜなら、賃貸住宅を探す学生はもちろん、外国人労働者も大量に存在するからです。

しかし、大学の移転と併せて近年では大手企業でも業績不振による倒産や生産性を考慮した移転が相次いでいます。

実際、大手自動車メーカーの「ホンダ」でも、埼玉県にある狭山工場を2023年には完全閉鎖すると発表しました。つまり狭山工場で働く従業員の約4,600人は、狭山市から流出することになります。

もし狭山工場に依存したアパート経営を行っていたら、今回の閉鎖で大打撃を受けていたでしょう。そのような事例から、特定の施設に依存したアパート経営の危険性が分かると思います。

まとめ

「儲からない原因を知って儲かるアパート経営を目指しましょう」

本記事では、アパート経営が儲からない原因とその回避方法を解説いたしました。

アパート経営が儲からない原因を事前に知っておくと、失敗する確率が大幅に低くなるでしょう。事実として、アパート経営は「好立地を選ぶこと」と「負債を減らすこと」が重要なポイントです。

交通の利便性がすべてではないですが、最寄り駅に近いほど「住みたい」と思う入居者が多いことは覚えておきましょう。会社員の方をターゲットにするなら、最寄り駅から近いことは必須です。

しかし家族構成によっては、公園や病院が近いと好立地になる可能性もあります。自分が経営するアパートの強みから、「どんな入居者におすすめなのか」を考えそのニーズを満たすことを心がけましょう。

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