使っていない空き部屋を「貸して家賃収入を得たい」と考える方は少なくありません。
相続した実家、転勤で使わなくなった自宅、所有しているアパートやマンションの空室など、空き部屋が生まれる理由はさまざまです。
一方で、いざ貸そうと思うと「何から始めればいいのか」「いくらで貸せるのか」「管理は自分でするべきか」など、分からないことも出てきます。
空き部屋を貸す場合は、入居者を募集するだけではありません。貸し出す前の物件確認から、家賃設定、契約、入居後の管理まで考える必要があります。
特に初めて賃貸に出す場合は、目先の家賃だけで判断すると、空室が長引いたり、管理の負担が大きくなったりすることがあります。
この記事では、空き部屋を貸す方法や流れ、注意点、早く空室をなくすためのポイント、管理会社の選び方まで解説します。
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空き部屋を貸したいなら、まず確認したいこと
空き部屋を貸すと決めたら、すぐに入居者募集を始めるのではなく、まず賃貸に出すための条件を確認しましょう。
所有している物件でも、管理規約やローン契約などによって確認が必要になる場合があります。
また、長期間使っていなかった部屋は、設備の故障や劣化が見つかることもあります。募集を始めてから問題が発覚すると、修繕や条件変更が必要になり、入居まで時間がかかる可能性があります。
その部屋を賃貸に出せるか確認する
マンションなら、まず管理規約や使用細則を確認します。賃貸に関するルールや、入居者が決まった後の届け出などが定められていることがあるためです。
自宅として使っていた部屋を貸す場合は、住宅ローンの契約条件も確認しましょう。住宅ローンは居住を前提としている場合があるため、賃貸に変更するときは金融機関への相談が必要になることがあります。
また、相続した実家などを貸す場合は、建物や設備の状態も確認しておきたいところです。
確認先が分からない場合は、マンションの規約なら管理会社や管理組合、ローンなら金融機関など、契約や規約を管理している相手に確認しましょう。
修繕やクリーニングは必要?
空き部屋を貸す前には、室内や設備の状態を確認します。
壁や床の汚れ、水回り、エアコン、給湯器などに問題がないかをチェックし、必要に応じて修繕やクリーニングを行います。
ただし、貸す前だからといって、すべてを新品にする必要はありません。築年数が経過した物件に過剰なリフォームを行うと、修繕費ばかりが増えてしまいます。
反対に、明らかな汚れや故障を放置すれば、内見時の印象が悪くなり、入居後のトラブルにつながることもあります。
修繕するときは、入居者が生活するうえで必要な部分と、見た目の印象を良くする部分を分けて考えましょう。想定家賃とのバランスを見ることも大切です。
空き部屋を貸す方法は?自主管理と管理会社への委託を比較
空き部屋を貸す方法には、自分で管理する方法と管理会社へ委託する方法があります。
自主管理なら管理会社への費用を抑えやすい一方、入居者対応や設備トラブルなどを自分で処理しなければなりません。
管理会社に委託すれば負担を減らしやすくなりますが、費用がかかります。また、どこまで対応してもらえるかも会社によって違います。
どちらを選ぶかは、費用だけでなく、物件との距離やオーナー自身が使える時間も含めて考える必要があります。
自分で入居者募集から管理まで行う
自主管理では、入居者募集から契約、家賃管理、入居後の問い合わせ、退去時の対応まで自分で行います。
管理会社への委託費用を抑えられることに加え、募集条件や修繕などを自分で判断しやすい点がメリットです。
一方で、入居者からの連絡はオーナーの都合に関係なく入ります。水漏れや設備故障など、急な対応が必要になることもあります。
物件が遠方にある場合は、現地確認だけでも負担になるでしょう。
「一部屋だけなら大丈夫」と考えていても、入居者が決まった後は継続的な対応が発生します。自分で管理する時間を確保できるか、事前に考えておくことが大切です。
管理会社に委託して貸す
管理会社へ委託すれば、入居者募集や契約手続き、家賃管理、入居後の問い合わせなどを任せられます。
ただし、管理会社によって対応範囲は異なります。募集だけを依頼するのか、入居後の管理まで任せるのかによって、費用やオーナーの負担も変わります。
そのため、「管理会社に任せればすべて対応してもらえる」と考えるのではなく、委託する業務を事前に確認しておきましょう。
初めて賃貸経営をする方や、物件から離れた場所に住んでいる方にとっては、入居者対応を任せられることが大きな負担軽減になります。
自主管理と管理委託はどちらが向いている?
自主管理と管理委託には、それぞれ向き不向きがあります。
| 比較項目 | 自主管理 | 管理会社へ委託 |
|---|---|---|
| 管理費用 | 抑えやすい | 委託費用が必要 |
| オーナーの手間 | 大きくなりやすい | 軽減しやすい |
| 入居者対応 | 自分で対応 | 管理会社へ任せられる |
| 遠方物件 | 対応しにくい | 委託しやすい |
| 自由度 | 高い | 契約内容による |
近くに住んでいて、賃貸経営に時間を使えるなら自主管理が向いている場合があります。
一方、仕事が忙しい、物件が遠い、入居者対応に不安がある場合は、管理会社への委託を検討するとよいでしょう。
「管理費が安いか」だけでなく、その費用によって自分の何を任せられるのかまで考えることがポイントです。
空き部屋を貸すまでの流れ
空き部屋を貸す場合は、物件の確認から始めて、賃貸条件の決定、入居者募集、審査、契約、入居後の管理へと進みます。
順番を意識して進めれば、「募集を始めた後に修繕が必要になった」「家賃設定をやり直すことになった」といった手戻りを防ぎやすくなります。
①物件の状態と賃貸需要を確認する
最初に、物件の状態と周辺の賃貸需要を確認します。
周辺の物件を見るときは、同じ地域というだけでなく、間取りや広さ、築年数、駅からの距離、設備などが近い物件と比較しましょう。
築年数が古くても駅に近い、部屋が広い、収納が多いなどの強みがあれば、競争力になる場合があります。
反対に、築浅で設備が充実した物件と同じ家賃では、選ばれにくい可能性があります。
「この部屋をどのような人が借りるのか」を考えながら周辺物件を確認すると、家賃や募集方法を決めやすくなります。
②家賃や初期費用などの条件を決める
次に、家賃や管理費、敷金・礼金などの条件を決めます。
ここでは家賃だけでなく、入居時に必要になる初期費用も確認しましょう。家賃が相場に合っていても、初期費用が高ければ選ばれにくくなることがあります。
また、家賃を高く設定すれば収入が増えるとは限りません。
高い家賃にこだわった結果、空室が長引けば、その期間は家賃収入を得られなくなります。
「いくらで貸したいか」だけでなく、「どの条件なら入居者に選ばれやすいか」という視点で考えることが大切です。
③入居者募集を行い、内見につなげる
募集条件が決まったら、入居者を募集します。
不動産会社や管理会社へ依頼する場合は、物件情報をもとに募集活動を進めてもらいます。写真や間取り、設備などを分かりやすく掲載することも重要です。
問い合わせが少ない場合は、すぐに家賃を下げるのではなく、募集条件や掲載内容を確認しましょう。
問い合わせはあるのに内見につながらない場合と、内見まで進んでも申し込みがない場合では、必要な対策が異なります。
どの段階で入居につながっていないのかを確認することで、必要以上の値下げを避けやすくなります。
④入居審査と賃貸借契約を行う
入居希望者から申し込みが入ったら、入居審査を経て賃貸借契約へ進みます。
契約期間や更新、解約、原状回復などの条件を確認しておきましょう。
特に初めて賃貸経営をする場合は、契約書の内容が分かりにくいこともあります。疑問があれば、仲介会社や管理会社に確認することが大切です。
退去時の原状回復や修繕負担は、後からトラブルになりやすい部分です。契約時に内容を確認しておけば、認識の違いを防ぎやすくなります。
⑤入居後の管理・退去まで対応する
入居者が決まれば終わりではありません。
入居後は家賃管理や設備トラブル、入居者からの相談、契約更新などが発生します。退去時には室内確認や原状回復、次の入居者募集も必要です。
つまり、空き部屋を貸すことは「入居者を見つけること」だけではなく、物件を継続して管理することでもあります。
自主管理をするなら、これらの対応を継続できるか考えておきましょう。
難しい場合は、入居者募集だけでなく、入居後の管理まで管理会社へ任せる方法もあります。
空き部屋を貸すときに注意したいポイント
空き部屋を貸せば家賃収入を得られますが、所有中にはさまざまな費用や手間が発生します。家賃だけを見て判断すると、修繕費や空室期間、入居者対応を後から負担に感じることがあります。
貸し出す前に、収入と支出の両方を考えておきましょう。
家賃を高く設定すれば得とは限らない
オーナーとしては、できるだけ高い家賃で貸したいものです。しかし、家賃が高いほど賃貸経営が有利になるとは限りません。
周辺の類似物件より家賃が高ければ、問い合わせが減り、空室期間が長くなる可能性があります。反対に、早く決めたいからといって大幅に家賃を下げる必要もありません。
駅からの距離や設備、間取りなどの強みがあるなら、それを含めて条件を考えることができます。
「希望する家賃」ではなく、「入居者に選ばれやすい家賃」を考えることが重要です。
家賃以外の支出も考える
家賃収入がそのまま手元に残るわけではありません。
管理会社への委託費用、設備の修理や交換、クリーニングなど、さまざまな支出が発生します。築年数が経過した物件では、将来的にまとまった修繕が必要になることもあります。
また、空室になれば、その期間は家賃収入がありません。
そのため、空き部屋を貸すかどうかを判断するときは、家賃収入だけでなく、維持・管理にかかる費用や空室期間も含めて収支を考えましょう。
入居者対応の負担も考えておく
自主管理では、入居者からの問い合わせもオーナーが対応します。設備故障や水漏れ、騒音など、内容はさまざまです。状況によっては業者の手配や現地確認も必要になります。
特に遠方の物件では、現地へ行くだけでも負担になるでしょう。
管理会社へ委託する場合も、すべての業務が管理費用に含まれるとは限りません。
「どこまで対応してもらえるのか」「追加費用が発生するのはどのような場合か」を契約前に確認しておくと、入居後の行き違いを防ぎやすくなります。
管理費だけで管理会社を選ばない
管理会社を選ぶときは、管理費の安さだけで判断しないことが大切です。
同じような管理費でも、入居者募集まで含まれる会社と、募集業務が別になっている会社では、オーナーの負担が違います。
空室になったときの対応も会社によって異なります。家賃設定の見直しや募集方法の変更など、具体的な提案をしてくれるかも確認したいところです。
「月額いくらなのか」だけでなく、「その費用で何をしてもらえるのか」を比較しましょう。

空き部屋を早急になくすには?入居者を早く決める方法
すでに空き部屋があり、できるだけ早く貸したい場合は、現在の募集条件を見直してみましょう。
空室が長引く原因は、家賃だけとは限りません。
募集情報の見せ方や初期費用、設備、内見時の印象など、複数の要素が関係している可能性があります。
募集条件を見直す
まず確認したいのが、家賃や初期費用です。
周辺の類似物件と比べて家賃が高くないか、初期費用が大きくなっていないかを確認します。
ただし、空室対策だからといって、いきなり家賃を下げる必要はありません。
問い合わせが少ないのか、内見が少ないのか、申し込みにつながらないのかによって、原因は異なります。
原因を確認せずに値下げすると、必要以上に収益を落としてしまうことがあります。
写真や設備など募集情報を改善する
入居希望者は、インターネット上で複数の物件を比較します。
そのため、写真や間取り、設備情報なども重要な判断材料です。
室内がきれいでも写真が暗かったり、広さが伝わらなかったりすれば、内見前に候補から外される可能性があります。駅から近い、収納が多い、日当たりがよいなど、物件の強みを分かりやすく伝えることも大切です。
築年数だけで判断せず、その物件ならではの魅力を整理して募集内容に反映させましょう。
空室対策を提案できる管理会社を選ぶ
空室が長引いている場合は、管理会社に具体的な改善案を出してもらう方法もあります。
管理会社によって、物件の見方や空室対策の考え方は異なります。
家賃設定の見直しを重視する会社もあれば、設備改善や募集方法の変更を提案する会社もあります。
「募集しています」という説明だけでなく、「空室を埋めるために何をするのか」を確認しましょう。
複数社から話を聞けば、家賃設定や設備、募集方法について異なる意見が出ることもあります。その違いを比較することで、自分の物件に必要な対策を考えやすくなります。

空き部屋を貸すなら、管理会社はどう選ぶ?
空き部屋は自主管理もできますが、初めて賃貸経営をする方や、物件から離れて暮らしている方にとって、すべての業務を自分で行うのは簡単ではありません。
管理会社を利用する場合は、「有名だから」「管理費が安いから」だけで決めず、自分が任せたい業務を整理してから比較しましょう。
どこまで管理してくれるか確認する
管理会社へ相談するときは、業務範囲を確認します。
入居者募集、契約手続き、家賃管理、入居中の問い合わせ、設備トラブル、退去時の対応など、どこまで含まれるのかを確認しましょう。
特に注意したいのが、基本の管理費用に含まれない業務です。
設備交換や修繕、緊急対応などは、別途費用がかかる場合があります。
契約前に「通常の管理業務には何が含まれるのか」「追加費用が発生するのはどのような場合か」を聞いておくと安心です。
空室対策や入居者募集の方針を比較する
空き部屋を早く貸したいなら、入居者募集の方針も確認しましょう。
周辺相場をどのように判断するのか、募集条件の変更をどう提案するのか、物件の強みをどう伝えるのかなど、会社によって考え方が違います。
「管理できます」という説明だけでなく、「空室になったら具体的に何をするのか」まで聞いてみると、会社ごとの違いが分かりやすくなります。
すでに空室がある場合は、現在の募集条件を見てもらい、改善点を提案してもらうのもよいでしょう。
1社だけで決めず複数社を比較する
管理会社を選ぶときは、最初から1社に決める必要はありません。
複数社の話を聞けば、管理費だけでなく、管理範囲、募集方法、空室対策、修繕への考え方などを比較できます。
ある会社は家賃設定の見直しを提案し、別の会社は設備改善を提案することもあります。
どちらが正しいということではなく、自分の物件に合っているかを判断することが重要です。
1社だけでは分からなかった違いも、複数社の提案を並べることで見えやすくなります。

よくある質問
まとめ|空き部屋を貸すなら、自分に合った管理方法を考えよう
空き部屋を貸すなら、物件の状態や契約条件を確認したうえで、周辺の家賃相場や賃貸需要を調べることから始めましょう。
また、入居者募集だけでなく、入居後の管理まで考えておくことも大切です。自主管理が難しい場合は、管理会社への委託も選択肢になります。
管理内容や空室対策は会社によって異なるため、1社だけで決めず、複数社を比較すると自分の物件に合った管理会社を見つけやすくなります。
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本記事は、2026年7月時点の法令、ガイドライン(環境省・国土交通省等)および一般的な実務情報に基づいて作成されています。執筆には万全を期しておりますが、その内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。
本記事は、不動産経営における一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の契約内容やトラブルに対する具体的な判断・助言を行うものではありません。騒音トラブルへの対応や管理にあたっては、必ずご自身の管理委託契約書や関係規約をご確認のうえ、必要に応じて管理会社、弁護士、専門家等へご相談ください。
また、法令の改正や各種ガイドラインの更新、物件ごとの条件や地域差等により、本記事の内容と実際の運用が異なる場合があります。最終的な判断は必ず最新の情報および個別事情に基づいて行ってください。
著者プロフィール
カソット コラム編集部
カソットは、不動産オーナーと管理会社をつなぐマッチングサービスです。
管理会社選びに悩むオーナー様に向けて、複数の管理会社を比較できる機会を提供するとともに、賃貸経営に役立つ情報発信を行っています。
これまで400社以上の不動産会社のWeb集客・サイト制作を支援してきた経験をもとに、現場で実際に起きている課題や、管理会社ごとの対応の違いを踏まえた実務的なノウハウをお届けしています。
「適切な管理会社選びが、賃貸経営を大きく変える」
その考えのもと、オーナー様が納得して判断できるよう、リアルな情報を分かりやすく発信しています。

