【マンションは貸すべき?売るべき?】メリット・デメリットをご紹介
目次
はじめに
分譲マンションを所有しているのに転居になったり、分譲マンションを相続したりした場合、そのマ ンションを賃貸に出すか売却するかをすぐに決断するのは難しいです。
賃貸と売却にはそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらの選択肢を取るかによってその後の流れも決まってきます。本記事では、分譲マンションを賃貸・売却する際のメリット・デメリットや、それぞれの流れについて解説します。
所有している分譲マンションを貸したい・売りたい方や、どちらにするか迷っている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
分譲マンションは貸すべき?売るべき?
結論から言うと、分譲マンションは貸しても売ってもよいです。
マンションは立地条件が良い物件も多く、共用施設や作りもしっかりしているため不動産としての価値が高いです。 賃貸には賃貸の、売却には売却のメリット・デメリットがそれぞれあるため、自身の金銭事情やライフスタイルに合わせて賃貸か売却かを選ぶとよいでしょう。
分譲マンションを貸すメリットとデメリット
分譲マンションを賃貸に出すメリット・デメリットとして、下記が挙げられます。
メリット
● 相続税対策
● 相場よりも高く貸すことができる
メリット1:相続税対策
マンションが相続税対策に優れている理由として、土地や家屋(マンション)の価格が実際の公示価格(売却できる額)のおよそ7~8割程度で評価されることにあります。
たとえば1億円の現金を相続する場合には、1億円に税率がかかり相続税の評価が行われます。対して1億円の賃貸用マンションの場合には、7,000~8,000万円に税率がかかることになるため、同じ1億円の価値がある現金よりも賃貸用マンションの方が相続税が安いのです。
不動産は現金と比較すると相続税が安くなるうえに、賃貸用であれば更に評価額が下がるため、自身の居住用マンションよりも賃貸マンションの方が節税対策になります。
メリット2:相場よりも高く貸すことができる
賃貸マンションは、アパートよりも家賃を高く設定することができます。
マンションはアパートよりも利便性の良い立地に建てられていたり、設備や管理がしっかりしていたりするため、家賃を高めに設定することができます。また、マンションはアパートと比較すると経年による価値が下落しづらく、築年数によって家賃を大幅に下げる必要もありません。
賃貸アパートよりも高い利回りを見込める可能性があるのも、 賃貸マンションの魅力の一つです。
デメリット
● 二重ローン審査に通るのが難しい
● リフォーム費用がかかる
● いざ売却を考えた際に、満足の行く価格で売れない可能性がある
デメリット1:二重ローン審査に通るのが難しい
自身の居住用住宅のローンを借りていたり、他に賃貸経営や自動車のローンがあったりすると、 いわゆる二重ローン(ダブルローン)となってしまい審査基準が厳しくなります。
そのため、賃貸マンションのローン審査に通りやすくするためにある程度の自己資金を用意したり、自身の収入を上げたりする必要があります。
デメリット2:リフォーム費用がかかる
現在、中古のリノベーション(リフォーム)マンションの需要が高いです。
中古マンションの一室を安く買い上げ、水回りを含んだフルリノベーション物件はデザイン性も高く、新築マンションにも遜色ない家賃で貸し出すことができます。
しかし、中古マンションを安く手に入れられたとしてもリノベーションやリフォームを施すためにはまとまった金額が必要となります。間取りや広さ、どこまでリノベーションするかによって費用が変 わりますが、最低でも300万円以上かかることは覚悟しましょう。
マンションの設備があまりにも古い場合には、水回りや間取りを含めてフルリノベーションすることも考慮する必要があります。その場合には1,000万円近い金額になることも含めたうえで、資金計画を立てましょう。
デメリット3:いざ売却を考えた際に、満足の行く価格で売れない可能性がある
いくらマンションが価値の下がりづらい不動産だと言っても、必ずしも希望する価格で売却できるとは限りません。
マンションを売却する際には、立地・周辺環境や築年数、設備、金利など、複合的な要素で売却金額を決定します。購入した当初は好条件であったとしても、数年後には同じ条件で売却できない可能性がありま す。
また、賃貸用マンションは居住用マンションと違い税制の特例が適用されません。 賃貸経営をする際には、物件の購入前に必ず売却時のシミュレーションをしておくことが重要です。
分譲マンションを売るメリットとデメリット
分譲マンションを売却するメリットとデメリットは、下記の通りです。
メリット
● 売買によって一定のキャッシュインがある
● 固定資産税等の費用を支払う必要がなくなる
メリット1:売買によって一定のキャッシュインがある
マンション売却によって、一定の現金収入が得られます。立地や築年数などの要素によって売却額は大きく左右されますが、マンション需要は安定しているため、相場程度の価格であれば売り損ねることが少ないです。
立地や周辺環境の変化によっては、築古物件でも購入時より高い価格で売却できる可能性もあるため、売却を視野に入れている場合には周辺で同じ築年数・間取りのマンションがいくらで取引されたのかを調べてみるとよいでしょう。
メリット2:固定資産税等の費用を支払う必要がなくなる
● 修繕積立金
● 管理費
● 固定資産税
● 都市計画税
● 駐車場代
● 火災・地震保険料
マンションを所有しているだけでかかる経費の例として、上記が挙げられます。
修繕積立金は、築年数が経つにつれて金額が上がっていくため築古マンションでは痛い出費となるでしょう。
マンションは戸建てと比較すると月々にかかる諸経費が多く、税金を合わせると負担が少なくありません。売却することで上記の諸費用の支払いがなくなるため、煩わしい出費が嫌な方は賃貸経営よりも売却の方が向いていると言えるでしょう。
デメリット
● 自己資金の持ち出しをする可能性がある
売却するマンションにローンの残債があれば、原則として自己資金を持ち出しして一括返済しなければなりません。ローンが残ったマンションには金融機関によって抵当権が設定されているため、ローンを完済しないと抵当権が消えずに勝手に売却できないのです。
売却金額がローンの残債を上回れば、利益が出るためローン残債の余った額が手元に残ります。しかし、売却金額がローンの残債を下回ってしまうと、自己資金を持ち出してローンを完済しない限り、抵当権が消えずに売却が頓挫してしまいます。
分譲マンションを貸す際の流れ
1. 不動産仲介会社を見つける
2. 普通借家契約やサブリースなど、貸し出し方式を選ぶ
3. 不動産仲介会社と契約する
4. 入居者を募集し、賃貸契約を締結する
分譲マンションを賃貸にする流れは、上記の通りです。
マンションを賃貸に出す場合には、信頼できる不動産仲介会社を探し出してどのような形態の契約を結ぶかが重要になります。貸し出し方式や契約の形態には複数の種類があるため、不動産仲介会社からの説明を受けながら自身に合ったものを選びましょう。
分譲マンションを購入する際に、居住用として住宅ローンの借り入れを行っている場合には、金融機関に無断で賃貸に出すことはできません。ローンの切り替えを求められることも多いため、 ローン残債のあるマンションを賃貸に出すことを考えている場合には、まずは金融機関に相談しましょう。
分譲マンションを売る際の流れ
1. 不動産会社にマンションの査定をしてもらう
2. 不動産会社を決めて、契約を結ぶ
3. 売り出し
4. 買い主と売買契約する
5. マンションの引き渡し査定を出す
マンションを売却する際の流れは、上記の通りです。
不動産会社によって、査定額に大きな差がでる場合も多いです。複数の不動産会社に一括で査定を申し込みできるサービスもあるため、有利に売却できるよう活用しましょう。
不動産会社と契約できれば、マンションの売り出しが始まります。その際に、購入を検討している方からの内覧の希望があれば、対応する必要があります。マンション売却にあたっては、登記の 手続きも必要となるため、不動産会社が司法書士を手配してくれます。
マンション売却で利益が発生した場合には、確定申告を忘れずに行いましょう。
まとめ
本記事では、分譲マンションの貸す・売る際のメリット・デメリットや、それぞれの流れについて解説しました。賃貸・売却どちらの場合であっても、住宅ローンが残っている場合には、必ず借り入れをしている金融機関に確認が必要です。
利益を出したい場合には、賃貸と売却のどちらが良いのかを専門家にシミュレーションしてもらうのも一つの手でしょう。
ぜひ本記事を参考にして、分譲マンションの賃貸や売却の検討をしてみてください。