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実家を賃貸に出すには?貸す流れやメリット・デメリット、注意点を解説

相続した実家、親が施設へ入居した後の家、転勤や住み替えで空く家を「賃貸に出せないだろうか」と考える人は少なくありません。空き家のまま保有するより、家賃収入を得ながら建物を維持できる可能性があるためです。

一方で、実家を賃貸に出すと、修繕費や管理費が発生し、入居者対応も必要になります。将来自分や親族が住む可能性があるなら、契約方法も慎重に選ばなければなりません。実家は思い入れのある資産だからこそ、目先の家賃だけでなく、建物の状態、家族の意向、管理の負担まで含めて判断することが大切です。

この記事では、実家を賃貸に出す前の確認事項から、貸す流れ、メリット・デメリット、管理会社の選び方まで解説します。

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目次

実家を賃貸に出す前に確認したい3つのこと

実家に賃貸需要があるかを確認する

実家を賃貸に出せるかを考える際、最初に確認したいのは、その地域でどのような物件が求められているかです。駅からの距離、スーパーや病院、学校へのアクセス、駐車場の有無、間取り、周辺の住環境によって、入居希望者の層は変わります。戸建ての実家であれば、子育て世帯や駐車場を必要とするファミリー層に向く場合があります。

ただし、戸建てだから必ず需要が高いとは限りません。人口が減少している地域や、賃貸物件の供給が多い地域では、家賃設定や設備面で競合物件と比較されます。まずは近隣で募集中の戸建て・ファミリー向け物件を確認し、家賃、築年数、広さ、設備、駐車場の条件を見てみましょう。

実際に貸せる家賃や空室の見込みを知るには、地域に詳しい管理会社へ賃料査定を依頼する方法があります。査定額だけでなく、どのような入居者を想定しているのか、募集にどの程度の期間を見込むのかまで聞くことで、現実的な賃貸経営のイメージを持ちやすくなります。

建物・設備を安全に貸せる状態か確認する

実家は長年住み続けた家であることが多く、所有者自身は使い慣れていても、初めて住む入居者から見ると設備や建物の古さが気になる場合があります。屋根や外壁の傷み、雨漏り、給湯器、エアコン、水回り、換気扇、配管、建具などを確認し、生活に支障が出る不具合がないかを点検しましょう。

築年数が古い場合は、耐震性や劣化状況の確認も必要です。貸し出すこと自体が難しいとは限りませんが、建物の安全性に関わる問題や大きな不具合を抱えたまま募集すると、入居後のトラブルにつながります。シロアリ被害、基礎のひび割れ、雨漏りなどが疑われる場合は、専門業者への点検も検討したいところです。

また、残置物の扱いも実家特有の課題です。家財や仏壇、思い出の品が残っていると、入居者は生活を始められません。誰が何を保管・処分するかを親族間で決め、賃貸に出す前に室内を整理しておく必要があります。後からトラブルにならないよう、残す物と処分する物の方針を記録しておくと安心です。

将来、実家へ戻る可能性と貸す期間を考える

実家を貸すかどうかは、「いつまで貸せるか」を決めずに進めると判断が難しくなります。親が一時的に施設へ入居している、将来自分が住み替える、子どもが使う可能性があるなど、家族の利用予定が残っている場合は、長期賃貸に向かないこともあります。

一般的な普通借家契約は更新を前提とする契約であり、貸主の事情だけで自由に契約を終わらせられるわけではありません。将来の利用予定が明確にある場合は、期間を定めて貸す定期借家契約を含めて検討する必要があります。ただし、契約方式によって入居者の集まりやすさや賃料の考え方が変わるため、単純に期間を決めればよいわけでもありません。

家族間で「何年程度は貸してよいのか」「売却や建て替えの可能性はあるのか」「親族が将来住む予定はあるのか」を話し合っておきましょう。実家の賃貸は不動産の問題であると同時に、家族の将来設計にも関わる問題です。管理会社に相談する前に大まかな方針を整理しておくと、適した契約や管理方法を提案してもらいやすくなります。

実家を賃貸に出すメリット

家賃収入を得ながら、実家を維持できる

実家を空き家のまま保有すると、住んでいなくても固定資産税、都市計画税、火災保険料、修繕費、庭木や外周の管理費などがかかります。賃貸に出して家賃収入を得られれば、こうした維持費の一部または全部を補える可能性があります。相続した実家で、すぐに売却する決断ができない場合にも、保有を続ける選択肢の一つになります。

ただし、家賃収入がそのまま手元に残るわけではありません。管理会社へ支払う管理料、入居者募集にかかる費用、設備修繕、退去後の原状回復、空室期間中の支出などを差し引いて考える必要があります。想定家賃だけを見て「収益が出る」と判断すると、思ったより負担が大きいと感じることがあります。

賃料査定を受ける際は、月額家賃だけでなく、年間の収入見込みと支出見込みを確認しましょう。空室期間や修繕費の見込みも含めて考えることで、実家を貸し続けることが家族にとって無理のない選択かを判断しやすくなります。

空き家による劣化や防犯面の不安を抑えやすい

建物は人が住まない期間が長くなるほど、劣化に気付きにくくなります。定期的な換気や通水が行われないと、湿気やにおい、配管の不具合などが発生することがあります。雨漏りや害虫被害も、誰も住んでいなければ発見が遅れ、修繕範囲が大きくなる場合があります。

入居者が住んでいれば、設備の不具合や建物の変化を早期に把握しやすくなります。もちろん、入居者がいるから建物が傷まないわけではありませんが、空き家として長期間放置するより、日常的に使われることで異変が見つかる機会は増えます。管理会社に委託すれば、入居者からの連絡窓口や修繕手配も任せられます。

また、空き家は郵便物がたまる、庭木が伸びる、外観が荒れるといった理由で、防犯面や近隣への影響が懸念されます。近隣から管理不足を指摘される前に、賃貸・売却・空き家管理のどれを選ぶかを検討することが大切です。賃貸に出す場合も、管理会社に巡回や建物管理の範囲を確認しておきましょう。

売却せずに、将来の選択肢を残せる

実家に思い入れがあり、すぐに売却することへ抵抗がある人もいるでしょう。賃貸に出せば、所有権を持ち続けながら家賃収入を得られる可能性があります。将来の住み替え、子どもの利用、相続時の方針などを考える時間を持てることは、実家を賃貸に出すメリットの一つです。

ただし、実家を保有し続けることには、修繕や税金、管理の負担も伴います。将来の選択肢を残すために貸す場合は、いつ、どのような条件なら売却や自己使用へ切り替えるのかを家族で考えておく必要があります。特に複数の相続人がいる場合、一人の判断だけで長期賃貸を始めると、後で意見の違いが表面化することがあります。

賃貸は売却を先延ばしにするためだけの手段ではありません。建物の状態、地域の需要、家族の希望を踏まえたうえで、保有を続ける価値があるかを判断することが大切です。貸し出した後の出口まで考えることで、実家を負担ではなく活用できる資産として捉えやすくなります。

実家を賃貸に出すデメリットと対策

修繕費・管理費などの支出が発生する

実家を賃貸に出す場合、家賃収入が得られる一方で、貸主として支払う費用も発生します。募集前にはハウスクリーニング、残置物処分、壁紙や床の補修、設備交換などが必要になることがあります。築年数が経過している家では、給湯器、エアコン、屋根、外壁、水回りの修繕費も見込んでおく必要があります。

入居後にも、設備の故障や建物の不具合が起きる可能性があります。借主の故意・過失ではない通常の設備故障については、貸主側で対応が必要になることがあります。家賃収入がある月だけでなく、空室中や大きな修繕が必要な時期にも支出があることを理解しておきましょう。

対策としては、募集前に必要な修繕と、入居後に備える修繕を分けて考えることが有効です。すべてを新しくするのではなく、安全性や生活に直結する設備を優先し、家賃への影響と工事費のバランスを確認します。管理会社から複数の提案を受け、工事内容と費用の根拠を比較することで、過剰な投資を避けやすくなります。

入居者トラブルや設備故障への対応が必要になる

実家を貸すと、オーナーは入居者に住まいを提供する立場になります。設備の故障、漏水、騒音、近隣とのトラブル、家賃滞納など、入居中に起こる問題へ対応する必要があります。遠方に住んでいる場合や、本業が忙しい場合は、緊急時に自分で現地へ行くことが難しいケースもあります。

管理会社へ委託すれば、入居者からの一次連絡、修繕業者の手配、家賃回収、契約更新などを任せられる場合があります。ただし、管理会社によって対応範囲が異なります。夜間・休日の緊急連絡に対応するか、修繕費が一定額を超える場合にどのような承認を求めるか、滞納時にどこまで対応するかを契約前に確認することが大切です。

オーナー自身で対応できる範囲には限界があります。特に実家が遠方にある場合は、管理料の安さだけでなく、入居者対応や建物管理の体制を重視しましょう。管理を委託しても完全に任せきりにするのではなく、定期報告の内容や修繕履歴を確認できる状態を作ることが、安心して賃貸経営を続けるポイントです。

自分や親族が住みたくなっても、すぐには戻れない場合がある

実家を貸す際に見落とされやすいのが、「貸した後に自分で使いたくなったらどうするか」という問題です。普通借家契約では、借主が住み続ける前提で契約が更新されることがあります。貸主が「子どもが住むことになった」「売却したくなった」と考えても、すぐに退去を求められるとは限りません。

将来の利用予定がある場合は、定期借家契約を検討する方法があります。定期借家契約は、契約期間の満了で契約を終了できる仕組みですが、契約方法や事前説明には注意が必要です。また、期間が限定されている物件は、長く住みたい入居希望者から敬遠されることがあり、普通借家契約と比べて募集条件に影響する場合もあります。

どちらの契約が適しているかは、貸す期間、地域の需要、家賃、家族の将来設計によって異なります。契約方法を安易に選ぶと、後で「思った時期に実家を使えない」という事態になりかねません。賃貸管理会社や必要に応じて専門家へ相談し、契約前に将来の選択肢を確認しておきましょう。

想定どおりの家賃で貸せず、空室が続く可能性がある

「実家なら月額いくらで貸せるか」は、多くのオーナーが最初に気にする点です。しかし、査定で提示された家賃が、そのまま成約するとは限りません。家賃は、地域の需要、築年数、間取り、設備、駐車場、募集時期、競合物件の状況によって変わります。希望する家賃が周辺相場より高ければ、空室期間が長くなる可能性があります。

高い査定額を出す会社が必ずしもよい管理会社とは限りません。大切なのは、なぜその家賃で決まると考えているのか、周辺の成約事例や募集状況をもとに説明できるかです。空室が続いた場合に、どのタイミングで何を見直すのか、家賃以外にどのような対策があるのかも確認しましょう。

対策としては、複数社へ査定を依頼し、家賃だけでなく募集方針や管理内容も比べることです。写真の見せ方、初期費用、設備改善、仲介会社への情報提供など、空室対策は家賃調整だけではありません。複数社を比較することで違いが見えやすくなり、無理のない条件を決めやすくなります。

検討項目メリットデメリット・注意点
家賃収入維持費の負担を補いやすい空室や修繕により収支が変動する
建物の維持異変に気付きやすく、防犯面の不安を抑えやすい入居中の修繕対応が必要になる
将来の選択肢売却せずに保有を続けられる契約方式によってはすぐ戻れない
管理の負担管理会社に一部を委託できる管理料と業務範囲の確認が必要

実家を貸すかどうかは、メリットだけで決めるものではありません。家賃収入、将来の利用予定、修繕の見込み、管理負担を同じ土台で比較し、家族にとって継続できる方法を選ぶことが大切です。

実家を賃貸に出す流れ

1.賃料査定と収支の見通しを確認する

実家を貸すと決めたら、まずは賃料査定を受けます。査定には、物件情報をもとに家賃の目安を出す方法と、担当者が現地を見て建物や設備、周辺環境まで確認する方法があります。実家は戸建てや築古物件である場合も多いため、室内の状態を見てもらったうえでの提案が役立つことがあります。

査定で確認したいのは、家賃の金額だけではありません。想定される入居者像、募集開始から契約までに見込む期間、必要な修繕、管理料、募集費用、空室時の対策を聞きましょう。収入だけを見て貸し出しを決めると、修繕や空室による支出を見落とすことがあります。

複数社から査定を受けると、家賃の見方や管理方針の違いが分かります。査定額が高い理由、低い理由を聞き、地域相場や成約事例と照らして判断しましょう。初めて賃貸経営を行う場合は、質問への答え方や、リスクまで説明してくれるかも管理会社選びの重要な材料になります。

2.建物を点検し、必要な修繕・リフォームを決める

次に、実家を入居者が安心して住める状態に整えます。すべてを全面的にリフォームする必要はありませんが、雨漏り、漏水、給湯器、電気設備、鍵、建具、水回りなど、生活や安全に直結する不具合は優先して確認します。入居後に故障が発覚すると、入居者の不満や緊急対応につながりやすくなります。

修繕とリフォームは分けて考えると判断しやすくなります。修繕は、壊れた設備や傷んだ箇所を通常使用できる状態へ戻すためのものです。リフォームは、見た目や使い勝手を改善し、競合物件との差を作るためのものです。どちらも必要になる場合がありますが、家賃の上昇や空室短縮につながるかを見ながら優先順位を付ける必要があります。

管理会社や工事業者へ相談する際は、工事費だけでなく、工事後に想定される募集条件も確認しましょう。高額な設備を導入しても、地域の家賃相場と合わなければ投資を回収しにくくなります。複数の見積もりや提案を比較し、実家のターゲットに合う改善から進めることが現実的です。

3.賃貸借契約の種類と募集条件を決める

建物の準備と並行して、どのような契約で貸すかを決めます。長期的に貸す予定で、将来自分で使う時期が決まっていない場合は、普通借家契約が選ばれることがあります。一方で、転勤期間や親族が戻る時期など、貸し出す期間が明確な場合は、定期借家契約を検討することがあります。

契約方式は、オーナーの都合だけで選ぶものではありません。入居希望者にとっては、住める期間が限られている物件より、長く住める物件の方が選びやすい場合があります。そのため、定期借家契約では家賃や募集条件に工夫が必要になることもあります。地域の需要や想定する入居者層を踏まえ、管理会社と相談しながら決めましょう。

家賃、敷金・礼金、更新に関する条件、ペット可否、駐車場、残置設備の扱いなどもこの段階で整理します。設備の一部を残す場合は、誰が修理を負担するのかを契約上明確にしておく必要があります。実家にある設備を「使えるから」と曖昧に残すと、故障時の負担をめぐってトラブルになりやすいため注意が必要です。

4.管理会社を決め、入居者募集を始める

募集条件が決まったら、管理会社と管理委託契約を結び、入居者募集を始めます。管理会社は、入居者対応、家賃回収、建物管理、修繕手配、契約更新などを担う場合があります。入居希望者を見つける仲介会社との連携も、空室期間を左右する要素です。

管理会社に依頼する前に、どの募集サイトや仲介会社へ情報を出すのか、写真撮影や募集図面をどう整えるのか、問い合わせ・内見・申込みの状況をどう報告してもらうのかを確認しましょう。空室が続いたときに、どのような対策を提案してくれるかも聞いておきたいポイントです。

実家が遠方にある場合は、定期巡回や清掃、庭木の管理、緊急時の現地対応の範囲も重要になります。管理料が安くても、必要な対応が別料金だったり、対応範囲が限られていたりすることがあります。管理内容と費用を同じ条件で比較し、自分の実家に必要な管理を任せられる会社を選びましょう。

5.入居審査・契約・引き渡しを行う

申込みが入った後は、入居審査、賃貸借契約、保証会社や保険に関する手続き、鍵の引き渡しへ進みます。入居審査は、家賃の支払い能力だけでなく、保証会社の利用、入居人数、ペット飼育の有無など、物件の条件に沿って行われます。オーナーとして、どのような入居者を受け入れたいかを事前に管理会社へ共有しておくことが大切です。

契約時には、設備の状態や残置設備の扱い、退去時の原状回復、禁止事項、連絡先を明確にします。実家には一般的な賃貸物件にはない設備や庭、物置、井戸などが残っていることもあります。使ってよいもの、使用を禁止するもの、管理責任をどこまで負うのかを曖昧にしないようにしましょう。

鍵を引き渡した後も、賃貸経営は始まったばかりです。管理会社から収支や修繕、入居者対応について定期報告を受け、実家の状態を把握できるようにします。特に最初の数か月は、入居者が設備の使い方や不具合を相談しやすい時期でもあるため、管理会社の対応状況を確認しておくと安心です。

実家を貸すときにかかる費用と税金の考え方

賃貸開始前にかかる主な費用を整理する

実家を賃貸に出す前には、まとまった費用が必要になることがあります。室内の家財を整理する残置物処分費、ハウスクリーニング費、鍵交換費、壁紙や床の補修、水回りや給湯器の修理、庭木の手入れなどが代表的です。築古の実家では、見た目を整えるための工事より、安全性や設備不良への対応が優先されることもあります。

費用を考えるときは、すぐに必要な工事と、入居者が決まってからでも対応できる工事を分けましょう。たとえば、雨漏りや給湯器の故障は募集前に直す必要がありますが、デザイン性を高めるリフォームは、想定家賃や競合物件との比較を見て判断できる場合があります。

親族間で費用負担をどうするかも、実家では大きな問題になりやすい部分です。相続人が複数いる場合は、誰が初期費用を出し、家賃収入をどう扱うのかを事前に話し合っておく必要があります。後から収入と支出の考え方が食い違わないよう、記録を残しながら進めましょう。

入居中・退去時にかかる費用を見込む

入居者が住み始めた後も、オーナーには継続的な支出が発生します。管理会社への管理料、設備故障時の修繕費、火災保険料、固定資産税、必要に応じた建物点検や庭木の管理などが挙げられます。家賃が入っている時期だけでなく、空室期間や退去後の原状回復も想定して資金を準備することが大切です。

退去時には、室内の状態を確認し、通常の使用による劣化と、入居者の故意・過失による損耗を区別して精算します。この判断は契約内容や実際の使用状況によって変わるため、管理会社から写真付きの報告や見積もりを受けるようにしましょう。敷金を預かる場合も、返還や精算の手続きを適切に行う必要があります。

実際の賃貸経営では、毎月の家賃収入だけで判断すると、突発的な修繕に対応しにくくなります。収入の一部を修繕や空室に備える資金として残しておくことで、急な給湯器交換や雨漏り修理が必要になった場合にも、落ち着いて対応しやすくなります。

賃料収入と確定申告で注意したいこと

実家を賃貸に出して家賃収入を得た場合、税務上の扱いを確認する必要があります。家賃収入に関する経費としてどこまで計上できるか、相続した実家の取得費や修繕費をどう扱うかは、所有状況や支出の内容によって異なります。安易に自己判断せず、領収書や契約書、修繕見積書、管理会社からの収支報告書を保管しておきましょう。

確定申告が必要かどうかや、税務上の具体的な取り扱いは、給与所得の有無、共有名義かどうか、相続の状況などによって変わります。初めて賃貸経営を行う場合は、税理士や税務署へ相談し、自分の状況に合った手続きを確認することが安心です。

税金のために必要な記録は、後から集めようとすると漏れやすくなります。管理会社からの送金明細、修繕に関する請求書、保険料、固定資産税の書類などを月ごとに整理しておくと、収支の把握にも役立ちます。賃貸経営を続けるなら、管理と税務を別々に考えず、日常的に記録する習慣を作りましょう。

実家を賃貸に出す際に管理会社へ確認したいこと

戸建て・築年数が古い実家の管理実績があるか

実家が戸建ての場合、集合住宅とは異なる管理が必要になることがあります。庭木、外壁、屋根、排水、境界、駐車場など、建物の外側までオーナーが管理する範囲が広くなりやすいためです。築年数が古い実家では、古い設備の修繕や、リフォームを含めた募集提案の経験も確認したいところです。

管理会社へ相談する際は、戸建て賃貸や類似した築年数の物件をどの程度扱っているかを聞きましょう。単に管理戸数が多いかだけでなく、実家のような物件で、どのような入居者を募集し、どのような修繕や空室対策を行ってきたかを確認すると判断しやすくなります。

実績が豊富な会社であっても、実家の所在地で募集力があるとは限りません。地域の仲介会社とのつながり、周辺の賃貸需要、戸建て賃貸の成約傾向まで説明してもらえるかを見ましょう。管理会社が物件の課題を率直に伝え、現実的な提案をしてくれるかも重要です。

空室募集と賃料提案をどのように行うか

実家を賃貸に出す場合、募集の進め方は家賃収入に直結します。管理会社がどの募集サイトへ掲載するのか、写真や間取り図をどう整えるのか、仲介会社へどのように情報を提供するのかを確認しましょう。戸建て賃貸では、駐車場、収納、庭、学区、ペット可否など、入居希望者に伝えるべき魅力が物件ごとに異なります。

賃料提案については、提示額だけでなく根拠を確認します。周辺の募集中物件だけでなく、実際に成約した物件の状況、築年数や設備の差、空室期間の見込みを踏まえて説明してもらえるかが重要です。高い家賃を提示されても、長期空室になれば収益は安定しません。

空室が続いた場合の対応も事前に聞いておきましょう。家賃を下げる前に、写真の更新、初期費用の見直し、設備改善、募集経路の拡大など、どのような選択肢を提案してくれるかを確認します。募集方針を比較することで、管理会社ごとの実務力の違いが見えやすくなります。

入居者対応と修繕時の連絡体制はどうなっているか

遠方に住むオーナーや、相続した実家を初めて貸すオーナーにとって、入居者対応の体制は特に重要です。入居者からの連絡を誰が受けるのか、夜間や休日の緊急連絡に対応できるのか、修繕業者の手配はどう進むのかを確認しましょう。連絡体制が曖昧だと、設備故障や漏水などが起きたときに対応が遅れます。

修繕については、管理会社がどこまで判断できるのか、オーナーへの連絡はどの金額から必要なのか、見積もりは何社から取るのかを確認します。小さな修繕でも写真や報告を受けられるか、緊急工事の後にどのような説明があるかも重要です。

管理会社に任せることは、オーナーが何も確認しなくてよいという意味ではありません。月次報告、修繕報告、空室募集の進捗を受け取れる体制を作ることで、遠方でも物件の状況を把握しやすくなります。連絡の早さと、状況を分かりやすく説明する姿勢を、契約前の相談段階から見ておきましょう。

比較項目確認する内容判断のポイント
管理実績戸建て・築古物件の管理経験実家に近い事例を説明できるか
募集力掲載媒体、写真、仲介会社への周知空室時の具体策があるか
修繕対応緊急時の連絡、承認手順、見積もり対応範囲と費用が明確か
報告体制収支、巡回、募集進捗の報告頻度遠方でも状況を把握できるか
管理料基本料と別途費用業務範囲とのバランスが取れているか

管理会社を選ぶ際は、管理料だけを比較すると必要なサービスを見落としやすくなります。実家の状態、所在地、貸す期間、オーナーが対応できる範囲を伝え、必要な業務を任せられるかで比較しましょう。

実家を賃貸に出さない場合の選択肢

売却する場合

実家を売却すれば、毎月の管理や修繕の負担から離れ、まとまった資金を得られる可能性があります。相続人の間で資産を分ける必要がある場合や、遠方に住んでいて継続的な管理が難しい場合には、売却が現実的な選択になることもあります。

一方で、売却すると実家を手放すことになります。思い出のある家を残したい、将来自分や親族が住む可能性があるという場合には、すぐに結論を出せないこともあるでしょう。売却する前には、建物の状態、土地の価値、売却にかかる費用、親族の意向を整理する必要があります。

賃貸と売却のどちらがよいかは、家賃収入と売却価格だけで比較できません。今後必要になる修繕費、保有期間、税金、家族の利用予定を含めて考えます。不動産会社や税理士などにも相談し、短期的な収支と長期的な資産計画の両方から判断しましょう。

空き家として管理する場合

将来自分や親族が住む予定が明確で、賃貸に出す期間を決めにくい場合は、空き家として管理する選択肢があります。家を貸さなければ、入居者との契約や修繕対応は発生しません。家財を残したままにしたい、定期的に家族が利用したいという事情がある場合にも向いています。

ただし、空き家は何もしなくても維持できるわけではありません。定期的な換気、通水、清掃、郵便物の確認、庭木の手入れ、外観の点検、防犯対策が必要です。遠方に住んでいる場合は、自分で巡回する負担が大きく、空き家管理サービスを利用する費用も考える必要があります。

空き家管理を選ぶなら、将来いつまで維持するのかを決めておくことが大切です。明確な期限がないまま放置すると、建物の劣化が進み、後で賃貸にも売却にも費用がかかることがあります。定期的に建物の状態と家族の方針を見直しましょう。

賃貸・売却・空き家管理を比較して決める

実家の活用方法に、すべての家庭に当てはまる正解はありません。賃貸は家賃収入を得ながら保有できる可能性がありますが、管理と修繕の負担が伴います。売却は資金化しやすい一方、家を手放す決断になります。空き家管理は将来の利用予定を残せますが、維持費と劣化リスクを抱え続けることになります。

判断する際は、家族が実家をどうしたいか、誰が管理を担えるか、建物の状態はどうか、地域に賃貸需要があるかを順に整理しましょう。親族が複数いる場合は、収入や費用の分け方だけでなく、保有を続けること自体に合意できているかを確認する必要があります。

自分だけで判断しにくい場合は、賃貸管理会社、不動産会社、税理士、司法書士などに相談し、それぞれの選択肢の見通しを聞くことが役立ちます。複数の意見を比較することで、実家の状況と家族の希望に合う方法を選びやすくなります。

実家を賃貸に出すときによくある質問

親名義の実家を子どもが賃貸に出すことはできますか?

親名義の実家を貸す場合、原則として所有者である親の意思確認や契約手続きが必要になります。子どもが実務を手伝うことはできますが、所有者の権限や判断能力、家族間の合意を確認せずに賃貸借契約を進めると、後でトラブルになる可能性があります。

親が高齢で手続きが難しい場合や、意思確認に不安がある場合は、早い段階で専門家へ相談することが大切です。所有者本人の状況、代理で行える範囲、将来の相続をどう考えるかによって、必要な対応は変わります。家族だけで判断が難しいと感じたら、司法書士や弁護士などへ確認し、適切な手続きを進めましょう。

相続した実家は、すぐに賃貸に出せますか?

相続した実家を賃貸に出すには、誰が所有者として契約するのかを明確にする必要があります。相続人が複数いる場合、賃貸に出すこと、修繕費を誰が負担すること、家賃収入をどう扱うことについて、事前に話し合っておくことが大切です。名義や権利関係が整理されていないと、管理会社との契約や入居者募集を進めにくくなります。

また、相続直後の実家には家財が残っていたり、建物の状態が把握できていなかったりすることがあります。まずは残置物の整理、建物点検、賃料査定を行い、貸し出せる状態かを確認しましょう。相続の手続きや税務上の判断が関わる場合は、専門家へ相談しながら進めると安心です。

古い実家でも賃貸に出せますか?

築年数が古いことだけで、実家を賃貸に出せないと決まるわけではありません。実際には、建物の安全性、雨漏りや設備不良の有無、立地、間取り、駐車場、家賃設定などを総合的に見て判断します。古い家でも、清掃や必要な修繕が行われ、地域の需要に合う条件であれば、入居者が決まる可能性はあります。

ただし、耐震性や構造上の問題、大きな劣化がある場合は、修繕や改修が必要になることがあります。リフォームに費用をかける前に、工事後の家賃や空室期間を見込み、投資を回収できるかを確認しましょう。管理会社や専門業者に建物を見てもらい、優先して直すべき箇所を整理することが大切です。

実家を貸すなら普通借家契約と定期借家契約のどちらがよいですか?

どちらが適しているかは、実家を貸す期間と将来の利用予定によって変わります。長期的に賃貸経営を続ける予定で、戻る時期が決まっていない場合は、普通借家契約が選ばれることがあります。将来自分や親族が住む時期がある程度決まっている場合は、定期借家契約を検討する余地があります。

ただし、定期借家契約には契約上の手続きや説明が必要で、入居希望者の選択肢が狭くなる場合もあります。普通借家契約も、貸主の都合で自由に終了できるわけではありません。家族の事情、地域の賃貸需要、募集条件を踏まえ、管理会社や必要に応じて専門家へ確認したうえで選びましょう。

遠方に住んでいても実家を賃貸に出せますか?

遠方に住んでいても、管理会社に委託すれば実家を賃貸に出すことは可能です。入居者からの連絡、修繕業者の手配、家賃回収、契約更新などを任せられるため、毎回オーナーが現地へ行く必要はありません。ただし、委託できる業務の範囲は管理会社によって異なります。

遠方オーナーが確認したいのは、緊急時の連絡方法、修繕の承認手順、定期報告の頻度、建物巡回の有無です。写真付きの報告を受けられるか、空室時の募集状況をどう共有してもらえるかも確認しましょう。遠方であるほど、管理会社との連絡体制が賃貸経営の安心感を左右します。

実家を賃貸に出す場合、リフォームは必須ですか?

実家を貸すために、必ず全面リフォームをする必要はありません。まずは雨漏り、設備故障、安全性に関わる不具合など、入居者が通常の生活を送れない原因を優先して直します。そのうえで、家賃や募集力を高めるために必要な改善があるかを検討します。

壁紙や床、水回りの交換、収納改善などは、物件の印象を高める可能性がありますが、工事費を回収できるかを見極める必要があります。周辺の競合物件や想定する入居者層に合うかを確認し、必要な部分から進めることが大切です。管理会社へ複数の改善案を出してもらい、費用と効果を比較して判断しましょう。

まとめ|実家を賃貸に出すなら、将来の使い方と管理体制を先に決める

実家を賃貸に出すことは、家賃収入を得ながら建物を維持できる可能性がある方法です。一方で、修繕費、空室、入居者対応、契約上の制約など、貸主として引き受ける負担もあります。実家を貸す前には、賃貸需要、建物の状態、将来の利用予定を整理しましょう。

特に重要なのは、「いくらで貸せるか」だけで決めないことです。想定家賃から管理料や修繕費を差し引いた収支、家族が将来実家をどう使いたいか、遠方からでも管理できる体制があるかまで考える必要があります。自分だけで判断が難しい場合は、賃料査定や管理提案を複数社から受けると、選択肢の違いが見えやすくなります。

実家の募集方針、修繕提案、入居者対応、報告体制は、管理会社によって異なります。カソットでは、物件や希望条件に合った管理会社を最大6社まで無料で比較できます。戸建てや築年数が経過した実家を貸す場合も、費用だけでなく、管理内容と提案の納得感を比べながら、自分の状況に合う管理会社を探すことが大切です。

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免責事項

本記事は、2026年7月時点の法令、ガイドライン(環境省・国土交通省等)および一般的な実務情報に基づいて作成されています。執筆には万全を期しておりますが、その内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。

本記事は、不動産経営における一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の契約内容やトラブルに対する具体的な判断・助言を行うものではありません。騒音トラブルへの対応や管理にあたっては、必ずご自身の管理委託契約書や関係規約をご確認のうえ、必要に応じて管理会社、弁護士、専門家等へご相談ください。

また、法令の改正や各種ガイドラインの更新、物件ごとの条件や地域差等により、本記事の内容と実際の運用が異なる場合があります。最終的な判断は必ず最新の情報および個別事情に基づいて行ってください。

著者プロフィール

カソット コラム編集部

カソットは、不動産オーナーと管理会社をつなぐマッチングサービスです。
管理会社選びに悩むオーナー様に向けて、複数の管理会社を比較できる機会を提供するとともに、賃貸経営に役立つ情報発信を行っています。

これまで400社以上の不動産会社のWeb集客・サイト制作を支援してきた経験をもとに、現場で実際に起きている課題や、管理会社ごとの対応の違いを踏まえた実務的なノウハウをお届けしています。

「適切な管理会社選びが、賃貸経営を大きく変える」
その考えのもと、オーナー様が納得して判断できるよう、リアルな情報を分かりやすく発信しています。

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