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個人で家を貸すには?賃貸に出す流れや必要な準備、注意点を解説

「持ち家をしばらく使わないので貸したい」「相続した家を空き家のままにしたくない」。そんなときに気になるのが、個人でも家を貸せるのかという点です。

個人が自分で所有する家を第三者に貸すことはできます。宅地建物取引業の免許が必要になるのは、宅地や建物の売買・交換、貸借の代理や媒介を「業として」行う場合です。自分の家を所有者として貸すこととは別の話です。

一方で、家を貸すと賃貸借契約が発生します。家賃を受け取れば税務上の不動産所得が生じることもあります。会社員なら勤務先の副業規定、公務員なら兼業に関するルールも確認が必要です。住宅ローンが残っている家では、金融機関との契約も見落とせません。

つまり、「貸せるかどうか」だけで判断するのではなく、法律、税金、ローン、契約、管理まで一通り確認してから動くことが大切です。個人で家を貸す前に知っておきたい基本から、実際の貸し出しの流れ、契約の選び方、管理会社を利用する場合の考え方まで整理します。

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目次

個人で家を貸すことはできる?法律や副業の扱いを確認

個人が自分の家を貸すために特別な資格は必要?

個人が所有している一戸建てやマンションを、自分で賃貸に出すこと自体に、宅地建物取引士などの資格が必要になるわけではありません。

宅地建物取引業法で免許が必要になるのは、宅地や建物の売買、交換、貸借の代理・媒介を「業として」行う場合です。自分が所有する家の貸主になることと、他人の物件について賃貸の仲介を仕事として行うことは区別されます。国土交通省も、宅地建物取引業を売買や貸借の代理・媒介などを業として行うものと説明しています。

ただし、資格が不要だからといって、何も準備せずに貸せるわけではありません。賃貸借契約では、家賃、契約期間、更新、解約、修繕、原状回復、禁止事項などを決めます。入居後に設備が故障した場合や、家賃の支払いが遅れた場合も、貸主として対応が必要です。

特に初めて家を貸す場合は、契約書の内容を自分だけで決めないほうが安心です。国土交通省は、紛争防止や貸主・借主の合理的な契約のために「賃貸住宅標準契約書」を公開しています。標準契約書の利用自体は義務ではありませんが、契約条件を考える際の参考になります。

会社員が家を貸すと副業にあたる?

家を貸して家賃収入を得ることが、すべての会社員に一律で「副業禁止」に該当するわけではありません。ただし、税金の話と勤務先のルールは分けて考える必要があります。

厚生労働省は、副業・兼業に関するガイドラインやモデル就業規則を公開しています。一方、実際に勤務先で認められるかどうかは、会社の就業規則や雇用契約、社内の届出・許可制度などによって確認する必要があります。

賃貸経営の規模が小さく、管理を管理会社へ委託しているケースでも、勤務先の規定を確認せずに「家賃収入なら大丈夫」と決めつけるのは避けたいところです。転勤などで一時的に自宅を貸す場合と、複数の物件を継続的に運営する場合では、会社側の見方が変わる可能性もあります。

また、公務員は民間企業とは別に、国家公務員法や人事院規則などによる兼業のルールがあります。公務員が家を貸す場合は、所属先の規定や必要な許可・承認の有無を確認してから始めることが重要です。

「副業かどうか」だけを見るのではなく、「勤務先に申告が必要か」「許可が必要か」「管理業務を自分で行うことに問題がないか」まで確認しておくと、後から勤務先との問題になりにくくなります。

家賃収入があれば確定申告は必要?

個人が家を貸して得る家賃は、原則として不動産所得の収入になります。不動産所得は、土地や建物などの貸付けから生じる所得で、基本的には「総収入金額-必要経費」で計算します。国税庁は、固定資産税、損害保険料、減価償却費、修繕費などを必要経費の例として挙げています。

会社員の場合、給与以外の所得があるからといって必ず確定申告が必要になるわけではありません。給与を1か所から受け、年末調整を受けているなど一定の条件を満たす人は、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。

ここで注意したいのは「家賃収入が20万円」ではなく、「必要経費を差し引いた所得」で判断する点です。家賃収入があっても、管理費や修繕費、固定資産税などを適切に計上した結果、所得が小さくなることがあります。

ただし、確定申告が不要になるケースでも、住民税の申告が必要になる場合があります。さらに、医療費控除などで確定申告をする場合には、給与以外の所得も含めて申告する必要があります。税務上の扱いは個々の状況で変わるため、継続的に家を貸すなら税理士や税務署へ確認しておくと安心です。

個人で家を貸す前に確認しておきたいこと

住宅ローンが残っているなら金融機関に確認する

自宅を賃貸に出す場合、最初に確認したいのが住宅ローンです。

住宅ローンは、自分や家族が住むことを前提に融資を受けている場合があります。そのため、転勤などで一時的に家を貸す場合も、自己判断で賃貸を始めるのは避けたほうが安全です。

金融機関によっては、転勤など一定の事情がある場合に対応できることもあります。一方で、無断で賃貸にすると契約上の問題になる可能性があります。

確認する場所は、住宅ローンの契約書や融資条件です。ただ、書類を読んでも判断しにくい場合は、借入先に「この家を賃貸に出したい」と具体的に伝えて確認します。賃貸期間や理由を聞かれることもあるため、転勤辞令など事情を説明できる資料を準備しておくとスムーズです。

また、住宅ローン控除を受けている場合は、家を貸すことによる税務上の影響も確認しておきたいところです。ローンが残っている家を貸す場合は、賃貸開始前に金融機関と税務の両方を確認する。この順番を崩さないことが大切です。

分譲マンションは管理規約を確認する

マンションを個人で貸す場合は、所有者だから自由に貸せるとは限りません。管理規約や使用細則に、専有部分の用途や賃貸に関するルールが定められていることがあります。

まず確認したいのは、住居以外の利用が認められているか、短期的な利用が制限されていないか、入居者に関する届出が必要かといった点です。管理組合への届出書類が必要なマンションもあります。

特に注意したいのが、一般的な賃貸住宅として貸す場合と、短期滞在型の利用をする場合の違いです。住宅として長期で貸すつもりでも、想定している利用方法が規約に合っているかは事前に確認しておく必要があります。

規約だけで判断できない場合は、管理会社や管理組合へ確認します。募集を始めてから「その条件では貸せない」と分かると、広告費や時間が無駄になってしまいます。マンションなら、賃料査定より先に管理規約を確認するくらいの意識でもよいでしょう。

家の状態を確認し、修繕や設備交換の必要性を判断する

入居者を募集する前に、家そのものの状態も確認します。外から見て問題がなくても、給湯器、エアコン、水回り、建具、照明などは入居後に不具合が出ることがあります。

ここで大切なのは、見た目だけをきれいにすることではありません。入居者が生活するうえで支障がないか、貸主として修繕しておくべき箇所はないかを確認します。

築年数が古い家では、修繕費をかければかけるほど有利になるとも限りません。家賃相場や周辺の競合物件を見ながら、「直さないと入居者が決まりにくい部分」と「直しても家賃に反映しにくい部分」を分けて考える必要があります。

また、賃貸開始前の室内写真を残しておくと、退去時の状態確認にも役立ちます。国土交通省の賃貸住宅標準契約書でも、契約条件を明確にすることが重視されています。契約書だけでなく、入居時の室内状態も記録しておくと、後の認識違いを減らせます。

個人で家を貸す流れ

まず契約期間と貸し方を決める

家を貸すときは、最初に「どのくらいの期間、誰に、どのような条件で貸すのか」を決めます。特に重要なのが契約の種類です。

普通借家契約は、一般的な賃貸住宅で多く利用される契約です。契約更新を前提とした運用がしやすい一方、貸主側から契約を終了させるには借地借家法上のルールが関係します。

定期借家契約は、あらかじめ決めた期間が満了すると、更新されずに契約が終了する制度です。将来、自分や家族が住む予定がある家など、返してもらいたい時期が明確な場合に検討しやすい方法です。国土交通省も、定期建物賃貸借は契約期間の満了によって更新されることなく確定的に終了する制度としています。

一時使用目的の賃貸借は、転勤など一時的な利用を前提として、通常の賃貸借とは異なる扱いになる場合があります。目的や契約内容によって判断が変わるため、「短期間だから一時使用」と決めつけず、専門家や管理会社に確認するのが安全です。

契約の違いを整理すると、次のようになります。

賃貸借契約の種類別 メリット・デメリット比較

契約種別メリットデメリット
普通借家契約・安定収入が期待できる・相場に近い賃料設定がしやすい・更新を前提とした長期運用がしやすい・退去の申し込みがない限り更新が続く・正当な事由がない限り、貸主からの途中解約は難しい
定期借家契約・事前に契約期間を設定できる・契約期間の満了により契約を終了させられる・普通借家より賃料を低めに設定するケースがある・契約期間が限定されるため借主が見つかりにくいことがある・契約更新はない。ただし双方が合意すれば再契約できる
一時使用賃貸借契約・転勤など目的が明確な場合に期間を設定しやすい・一時使用の目的が延長するなら、双方合意のもとで新たな契約を結ぶこともできる・賃料を相場より低めにすることがある・短期間の募集では借主が見つかりにくい・契約更新はない。双方の合意による再契約を検討する

定期借家契約は、契約期間を限定できる点が大きな特徴です。ただし、契約締結時には定期借家であることを明確にし、必要な手続きを踏む必要があります。国土交通省は定期賃貸住宅標準契約書も公開しているため、契約条件を検討する際の参考にできます。

周辺の募集状況を調べて家賃を決める

家賃は「毎月これくらい欲しい」という希望だけで決めると、空室が長引くことがあります。重要なのは、同じエリアで似た条件の物件がいくらで募集されているかを見ることです。

比較するのは駅距離だけではありません。築年数、間取り、専有面積、駐車場の有無、設備、ペット可否、戸建てかマンションかなども確認します。さらに、現在募集されている物件だけでなく、実際に成約している賃料を確認できるなら、その情報も参考になります。

高く貸せる家に見えても、募集条件が周辺と合っていなければ問い合わせが減ります。逆に、最初から安くしすぎると、入居者が決まってから条件を見直すのは簡単ではありません。

家賃を決めるときは、想定家賃から住宅ローンや固定資産税を単純に差し引くのではなく、空室期間、修繕、管理費、保険なども含めて考えます。「いくらで貸せるか」と「いくら残るか」は別の問題です。

管理方法を決め、必要なら管理会社を探す

個人で家を貸す場合、自主管理もできます。家賃の入金確認、入居者からの問い合わせ、設備トラブル、修繕業者の手配などを自分で行う方法です。

近くに物件があり、時間にも余裕があるなら選択肢になります。一方、遠方の家や戸建てでは、急な設備トラブルへの対応が負担になりやすくなります。夜間や休日に連絡が入る可能性も考えておかなければなりません。

管理会社へ委託する場合は、単に管理費の安さだけで選ばないことが大切です。入居者募集まで対応するのか、家賃管理をするのか、設備故障時の連絡窓口になるのか、退去時の立ち会いや原状回復の調整まで含むのかを確認します。

国土交通省の賃貸住宅管理業法では、一定の管理業務を行う管理業者について登録制度が設けられています。管理戸数200戸以上の賃貸住宅管理業者には登録が義務付けられています。管理会社を選ぶ際には、登録の有無だけでなく、実際の管理範囲や対応体制も確認しましょう。

募集条件を整え、入居者を募集する

家賃が決まったら、入居者募集に向けて物件を整えます。ハウスクリーニングや必要な修繕を行い、写真を用意します。

ここでは「きれいにする」だけでなく、誰に向けて募集するかを考えることも重要です。ファミリー向けなのか、単身者向けなのか、ペットを飼えるのか、駐車場が必要なのか。ターゲットによって、魅力になる設備や条件は変わります。

募集を開始した後、問い合わせが少ない場合は、家賃だけでなく写真、設備、初期費用、募集条件などを見直します。問い合わせがあるのに申し込みにつながらないなら、内見後の印象や条件面に問題がないかを確認します。

個人で募集することもできますが、広く入居者を集めたい場合は不動産会社へ募集を依頼する方法もあります。ここでは、入居者募集を行う仲介会社と、物件の維持管理を行う管理会社の役割を分けて考えることが大切です。

入居審査を行い、賃貸借契約を締結する

入居申し込みが入ったら、家賃を支払えるか、契約条件に問題がないかなどを確認します。保証会社を利用する場合は、保証会社の審査も行われます。

審査では、単純に「収入が高い人なら安心」と判断するのではなく、保証会社の利用、緊急連絡先、契約条件などを含めて総合的に確認します。

契約時には、家賃、支払日、契約期間、更新、解約、敷金、修繕、禁止事項などを明確にします。入居者に説明すべき事項や契約の種類によって必要な手続きも変わるため、初めて貸す場合は専門家や不動産会社のサポートを受けたほうが安心です。

契約が終わったら、鍵の引き渡しと入居時の状態確認を行います。ここまで終えて、ようやく賃貸経営がスタートします。

個人で家を貸すメリット

家を手放さずに家賃収入を得られる

家を売却せずに所有し続けながら、家賃収入を得られることは大きなメリットです。転勤などで一時的に住めなくなった家なら、将来戻る選択肢を残しながら活用できます。

相続した家でも、すぐに売却するのではなく賃貸に出すことで、所有を続ける方法があります。ただし、家賃収入がそのまま利益になるわけではありません。固定資産税、保険、修繕、管理費、空室期間などを差し引いて考える必要があります。

また、家を所有し続ける以上、将来的な売却や自分で住む可能性も残ります。賃貸に出す前に「何年貸すつもりなのか」「いつか自分で使う予定があるのか」を整理しておくと、普通借家と定期借家のどちらが合うかも判断しやすくなります。

空き家のままにせず、維持管理につなげられる

誰も住んでいない家は、換気や清掃、設備の確認などの管理が必要です。遠方にある実家などでは、定期的に通うだけでも負担になります。

賃貸に出せば入居者が生活するため、建物が使われない状態を避けられます。ただし、入居者がいるから所有者の管理が不要になるわけではありません。設備の修繕や建物の維持は、貸主側で対応する場面があります。

「空き家管理の手間を減らすために貸す」という考え方はできますが、賃貸は空き家管理とは別の負担も生まれます。家賃収入だけでなく、管理にかかる手間まで含めて判断することが大切です。

個人で家を貸すデメリットと注意点

空室になれば家賃収入は得られない

家を貸せば毎月家賃が入るとは限りません。入居者が退去すれば、次の入居者が決まるまで家賃収入が途切れます。

その間も固定資産税や保険料などの負担は続きます。住宅ローンが残っていれば、返済も続きます。空室期間が長引くほど、賃貸経営全体の収支は悪化します。

空室対策では、家賃を下げるだけが方法ではありません。設備の見直し、募集写真の改善、初期費用の調整、募集する不動産会社の見直しなど、原因に応じて対応する必要があります。自分の物件がなぜ選ばれていないのかを把握することが、空室対策の出発点です。

管理や入居者対応に手間がかかる

自主管理を選ぶと、入居者からの問い合わせに対応する必要があります。水漏れ、給湯器の故障、鍵のトラブルなど、いつ起こるか分からない問題もあります。

遠方に住んでいる場合は、現地確認だけでも難しくなります。業者を手配できても、状況を確認して修繕内容を判断するまでに時間がかかることがあります。

こうした負担を減らすために管理会社へ委託する方法があります。ただし、委託料が発生するため、収支とのバランスを考えなければなりません。管理会社に任せる範囲を明確にし、自分で対応する部分と外部へ任せる部分を分けることが重要です。

修繕費や管理費などの支出が発生する

家賃収入だけを見て「毎月これだけ入る」と考えると、実際の収支とずれることがあります。

固定資産税、火災保険・地震保険などの保険料、管理委託費、修繕費、入居者募集にかかる費用などが発生します。設備の交換が必要になれば、一時的に大きな支出が出ることもあります。

税務上の必要経費にできるかどうかは費用の性質によって判断されます。国税庁も、不動産所得の必要経費は不動産収入を得るために直接必要な費用のうち、家事上の経費と明確に区分できるものなどとしています。(確定申告書作成コーナー)

家賃からこれらを差し引いた後にどれだけ残るのか。さらに将来の修繕費まで考えて、賃貸に出すか判断することが大切です。

個人で家を貸すときにかかる費用

家を貸すための費用は、最初に発生するものと、貸している間に継続して発生するものに分けて考えると分かりやすくなります。

貸し出し前には、ハウスクリーニング、修繕、設備交換、写真撮影などの費用が発生することがあります。募集や契約を不動産会社へ依頼する場合は、仲介に関する費用も確認します。

賃貸中は、固定資産税、保険料、管理委託費、修繕費などがかかります。マンションなら管理費や修繕積立金もあります。

退去時には、次の入居者を募集するための清掃や修繕が必要になる場合があります。原状回復費用をどこまで誰が負担するかは、契約内容や損耗の状況によって変わります。

費用発生するタイミング確認したいポイント
ハウスクリーニング貸し出し前・退去後どこまで清掃するか
修繕・設備交換貸し出し前・賃貸中・退去後貸主負担になる範囲
仲介に関する費用入居者募集・契約時依頼先と契約内容
管理委託費管理委託中何の業務が含まれるか
固定資産税毎年賃貸後も所有者が負担する
保険料契約期間に応じて賃貸用としての補償内容
管理費・修繕積立金マンションの場合所有中の継続負担
税務・申告関連の費用必要に応じて税理士へ依頼するか

費用は物件の種類や地域、契約内容によって変わります。最初から細かい金額を決めるより、募集前に複数の不動産会社や管理会社から見積もりを取り、必要な費用を把握するほうが現実的です。

個人で家を貸すなら自主管理と管理会社のどちらがいい?

一戸だけの賃貸なら、自分で管理することもできます。ただし、「一戸だから簡単」とは限りません。戸建てでも設備は一通りあり、入居者対応も必要です。

自主管理は管理委託費を抑えやすい一方、問い合わせや修繕の手配を自分で行います。物件が自宅の近くにあり、時間を確保できる人には向いています。

管理会社を利用すると費用はかかりますが、入居者対応や家賃管理、設備トラブルなどを任せられる場合があります。遠方の家や、仕事などで対応が難しい場合は、費用以上に時間を減らせることがあります。

重要なのは、管理会社に何を任せるかです。入居者募集だけを依頼するのか、家賃回収まで任せるのか、設備トラブルや退去まで含めるのかで、費用もサービス内容も変わります。

そのため、管理会社を選ぶときは「管理料が何%か」だけで比較しないことが大切です。管理範囲、対応時間、修繕時の連絡方法、入居者募集の方針、退去時の対応などを並べて見ると、会社ごとの違いが分かりやすくなります。

管理会社を比較するときは、最初から1社に絞る必要はありません。自分の物件について相談し、各社からどのような管理方法や募集方針を提案されるのかを確認することで、会社ごとの違いが見えやすくなります。

特に、空室になった場合にどのような募集を行うのか、設備トラブルが発生したときに誰が対応するのか、修繕費用が発生した場合にどのような流れになるのかは、契約前に確認しておきたいポイントです。

管理会社を比較するときは、安さだけではなく「自分がどこまで管理したいのか」を基準に考えると、必要なサービスを判断しやすくなります。

よくある質問

家を貸すだけなら不動産会社の免許は必要?

自分が所有する家を自分で貸すことについて、宅地建物取引業の免許が必要になるわけではありません。

免許が問題になるのは、売買や貸借の代理・媒介などを業として行う場合です。自分の物件を貸すことと、他人の物件を仲介することは分けて考える必要があります。

会社員でも家を貸せる?

会社員でも家を貸すことはできます。ただし、勤務先の就業規則や副業・兼業に関する届出制度を確認しておきましょう。

「会社員だから禁止」「家賃収入だから問題ない」と一律に判断するのではなく、勤務先のルールに沿って確認することが大切です。

家賃収入が少なければ確定申告は不要?

給与所得者については、一定の条件を満たし、給与以外の所得金額の合計が20万円以下なら、所得税の確定申告が不要となる場合があります。

ただし、20万円は家賃収入そのものではなく、必要経費などを差し引いた「所得」で考えます。別の理由で確定申告をする場合などは扱いが変わるため、「家賃が20万円以下なら申告不要」と単純に判断しないようにしましょう。

転勤中だけ家を貸すならどの契約が向いている?

将来、自分が戻って住む時期が決まっているなら、定期借家契約を検討しやすくなります。定期借家は契約期間の満了で更新されずに終了する制度だからです。ただし、契約には一定の手続きが必要です。転勤期間が延びる可能性なども考え、契約期間をどう設定するか慎重に決めましょう。

家を貸すときは管理会社を使ったほうがいい?

必ず管理会社を利用しなければならないわけではありません。物件の近くに住んでいて、入居者対応や修繕の手配ができるなら、自主管理も選択肢になります。

一方、遠方にある家や、仕事などで対応する時間を確保しにくい場合は、管理会社の利用が現実的です。管理料だけで決めず、どこまで対応してもらえるのかを確認して比較しましょう。

個人で家を貸すなら契約と管理まで考えて準備しよう

個人が所有する家を賃貸に出すことはできます。特別な資格が必要になるわけではありません。ただし、家を貸した時点で貸主としての責任が生じ、契約、修繕、入居者対応、税務などを考える必要があります。

特に最初に確認したいのは、住宅ローンやマンションの管理規約です。そのうえで、家の状態を確認し、周辺の賃貸相場を調べ、どの契約方法で貸すかを決めます。将来、自分が住む予定があるなら、契約期間の考え方も変わります。

また、会社員なら勤務先の副業・兼業規定、公務員なら所属先の兼業ルールを確認しておく必要があります。家賃収入についても、不動産所得として収入と必要経費を整理し、確定申告が必要か判断します。

そして、実際の賃貸経営では「いくらで貸せるか」だけでなく、「誰に募集するか」「空室になったときどう対応するか」「設備が壊れたら誰が動くか」まで考えておくことが大切です。

自分で管理する方法もありますが、物件が遠方にある場合や、入居者対応に時間を取れない場合は、管理会社へ委託する方法もあります。その際は1社だけの説明を聞いて決めるのではなく、管理範囲や費用、入居者募集の方針、修繕時の対応などを比べると、自分の物件に合った会社を選びやすくなります。

複数の管理会社を探して一つずつ問い合わせるのが負担だと感じる人も多いでしょう。カソットでは、物件や希望条件に合った管理会社を探し、最大6社まで無料で比較できます。管理内容や費用、提案を並べて確認できるため、初めて家を貸すオーナーが管理の違いを把握する際にも使いやすい方法です。

家を貸すことは、単に入居者を見つけて家賃を受け取るだけではありません。自分でどこまで対応するのかを決めたうえで、必要な部分だけ専門家や管理会社に任せる。その準備ができていれば、個人でも無理のない形で賃貸を始めやすくなります。

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免責事項

本記事は、2026年7月時点の法令、ガイドライン(環境省・国土交通省等)および一般的な実務情報に基づいて作成されています。執筆には万全を期しておりますが、その内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。

本記事は、不動産経営における一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の契約内容やトラブルに対する具体的な判断・助言を行うものではありません。騒音トラブルへの対応や管理にあたっては、必ずご自身の管理委託契約書や関係規約をご確認のうえ、必要に応じて管理会社、弁護士、専門家等へご相談ください。

また、法令の改正や各種ガイドラインの更新、物件ごとの条件や地域差等により、本記事の内容と実際の運用が異なる場合があります。最終的な判断は必ず最新の情報および個別事情に基づいて行ってください。

著者プロフィール

カソット コラム編集部

カソットは、不動産オーナーと管理会社をつなぐマッチングサービスです。
管理会社選びに悩むオーナー様に向けて、複数の管理会社を比較できる機会を提供するとともに、賃貸経営に役立つ情報発信を行っています。

これまで400社以上の不動産会社のWeb集客・サイト制作を支援してきた経験をもとに、現場で実際に起きている課題や、管理会社ごとの対応の違いを踏まえた実務的なノウハウをお届けしています。

「適切な管理会社選びが、賃貸経営を大きく変える」
その考えのもと、オーナー様が納得して判断できるよう、リアルな情報を分かりやすく発信しています。

この記事を書いた人

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