転勤が決まったとき、勤務先や引っ越し先と同じくらい悩みやすいのが、現在住んでいる持ち家をどうするかという問題です。
売却すれば管理の手間はなくなりますが、転勤から戻ってきても同じ家には住めません。一方、賃貸に出せば家を残しながら家賃収入を得られるものの、入居者対応や修繕などの負担が生じます。誰にも貸さず空き家として残す方法もありますが、住んでいない家にも税金や維持管理の費用はかかります。
しかも、転勤期間が1年なのか、数年なのか、帰任時期が決まっているのかによっても適した方法は変わります。
この記事では、転勤で持ち家をどうするか迷っている方に向けて、売却・賃貸・空き家という3つの選択肢を比較します。住宅ローンが残っている場合の確認事項や、持ち家を賃貸に出す際の管理会社選びまで、実際に判断するときに知っておきたいポイントを整理します。
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転勤で持ち家をどうする?まず3つの選択肢を比較しよう
売却・賃貸・空き家、それぞれ向いているケース
転勤が決まったからといって、持ち家を売却しなければならないわけではありません。大きく分けると、「売却する」「賃貸に出す」「空き家として残す」という3つの方法があります。
売却は、転勤先での生活が長くなりそうで、今の家に戻る可能性が低い場合に検討しやすい方法です。所有そのものをやめるため、固定資産税や建物の維持管理など、持ち続けることで発生する負担から離れられます。
賃貸は、将来的に戻る可能性を残しながら、転勤中は第三者に貸したい場合に向いています。ただし、家賃収入が得られる一方で、空室や修繕、入居者対応など賃貸経営ならではの負担も発生します。
空き家として残す方法は、転勤期間が比較的短い場合や、他人に貸すことに抵抗があり、将来は自分たちが住む可能性が高い場合に選ばれます。ただし、住んでいないから費用がかからないわけではありません。
「どれが一番得か」だけで考えると判断を誤りやすいため、転勤期間や住宅ローン、家計、将来の住まいまで含めて考えることが大切です。
3つの選択肢を比較するポイント
持ち家をどうするか考えるときは、まず「お金」「管理の手間」「将来その家に戻れるか」という3つの視点を持つと整理しやすくなります。
売却の場合、まとまった資金を得られる可能性がある一方、売却価格が住宅ローンの残高を下回ると、その差額への対応を考えなければなりません。また、いったん売却すると、転勤から戻ってきたときに同じ家へ住むことはできなくなります。
賃貸では、家を所有したまま家賃収入を得られます。ただし、入居者が決まらなければ収入は発生せず、設備の故障や退去などにも対応が必要です。遠方への転勤なら、自主管理は現実的に難しくなることもあります。
空き家なら入居者とのトラブルはありませんが、住宅ローンや固定資産税、保険、修繕などの負担は続きます。遠方に住む場合は、定期的な換気や清掃などを誰が行うのかも決めておかなければなりません。
つまり、判断すべきなのは「売却・賃貸・空き家のどれが一般的か」ではなく、自分の転勤と家計にどの方法が合っているかです。
転勤が決まったら最初に確認したいこと
転勤が決まった直後は、売るか貸すかを急いで決める前に、転勤先での勤務期間や会社の制度を確認しましょう。
転勤期間が1年程度なのか、数年間になるのか、帰任する可能性があるのかによって、持ち家の扱いは変わります。会社から住宅手当や社宅が用意される場合は、転勤後の住居費も確認しておきたいところです。
次に確認したいのが住宅ローンです。現在の借入残高だけでなく、持ち家を売却する場合と賃貸する場合に金融機関への確認が必要かを把握します。特に住宅ローンを利用して購入した自宅を賃貸に変更する場合は、自己判断で手続きを進めず、借入先に相談することが大切です。
さらに、家族が転勤先へ一緒に移るのか、子どもの進学などで家族の一部が残るのかも判断材料になります。
「転勤が決まったから、とりあえず空き家にする」と決めてしまうのではなく、転勤後の生活まで見通して選ぶことが重要です。
持ち家を「売却する」メリット・デメリット
転勤を機に売却するメリット
持ち家を売却する最大のメリットは、所有し続ける負担をなくせることです。
転勤先が遠方になると、現在の家を維持するために何度も戻るのは簡単ではありません。空き家にしておけば、建物の状態を確認したり、庭の手入れをしたりする必要があります。賃貸に出せば、入居者との契約や設備トラブルなどにも対応しなければなりません。
売却すれば、こうした管理から離れられます。固定資産税などの所有に伴う負担も、売却後は基本的にその家について負担し続ける必要がなくなります。
また、売却代金を転勤先での生活費や新しい住まいの資金などに充てられる可能性もあります。
特に、転勤後に戻る可能性が低い場合は、「いつか戻るかもしれない」という理由だけで家を持ち続ける必要があるのかを考えてみる価値があります。
ただし、売却価格や住宅ローン残高によっては、売れば必ず資金面で楽になるとは限りません。手元に残る金額まで確認して判断する必要があります。
売却するときに注意したいデメリット
売却の大きなデメリットは、将来その家に戻れなくなることです。
転勤当初は「数年で戻れる」と思っていても、会社の都合で転勤期間が延びたり、別の地域への転勤になったりすることがあります。反対に、転勤先での生活が気に入り、戻る必要がなくなるケースもあるでしょう。
将来の住まいが確定していない段階で売却すると、帰任後に改めて住宅を探すことになります。購入する場合は不動産価格や住宅ローンの状況によって負担が変わり、賃貸する場合も家賃が必要です。
また、売却には仲介手数料などの費用がかかります。住宅ローンが残っている場合は、売却価格だけでなくローン残高との関係も確認しなければなりません。
そのため、「高く売れそうだから売る」という判断だけでは不十分です。売却した場合に最終的にいくら手元に残るのか、転勤から戻った後の住まいをどうするのかまで考えておくと、後悔しにくくなります。
住宅ローンが残っていても売却できる?
住宅ローンが残っている持ち家でも、売却を検討することはできます。ただし、売却後に住宅ローンをどうするかが重要です。
売却価格がローン残高を上回るのであれば、売却代金からローンを返済し、諸費用を差し引いた残りを手元に残せる可能性があります。
一方、住宅ローンの残高よりも売却価格が低い場合は注意が必要です。売却代金だけではローンを完済できないため、不足分を自己資金で補うなどの対応が必要になることがあります。
たとえば、転勤を急いでいるからといって、ローン残高を確認しないまま売却活動を始めると、想定していた資金計画と実際の結果が大きく違ってしまうことがあります。
まずは金融機関に現在のローン残高や返済条件を確認し、不動産会社には物件の査定を依頼します。そのうえで、売却価格から諸費用やローン返済を考慮した場合に、どの程度の資金が残るのかを確認しましょう。
転勤前に売る?転勤後に売る?
転勤が決まったら、いつ売却活動を始めるかも考える必要があります。
転勤前に売却を進めれば、現在の家にいる間に内覧対応などを行いやすくなります。買い手が見つかれば、転勤後の管理負担を減らせるでしょう。ただし、転勤までの期間が短いと、希望する時期までに売却できない可能性があります。
転勤後に売却する方法なら、引っ越しを優先してからじっくり売却活動を進められます。一方で、遠方から内覧や手続きに対応する必要があり、売却活動の負担が大きくなることがあります。
どちらが良いかは、転勤までの期間や物件の売れやすさ、家族の予定によって変わります。
転勤日が決まった段階で不動産会社へ相談し、「転勤までに売却する場合」「転勤後も所有する場合」の両方についてスケジュールを確認しておくと判断しやすくなります。
売却価格は1社だけで決めない
持ち家を売却するなら、査定価格を1社だけで判断しないことも大切です。
不動産会社によって査定の考え方や販売戦略は異なります。同じ物件でも、周辺の成約事例を重視する会社もあれば、物件の特徴や現在の市場動向を踏まえて価格を提案する会社もあります。
ただし、査定額が最も高い会社を選べばよいというわけではありません。相場より高い価格を提示して媒介契約を取り、その後に価格の引き下げを提案するケースも考えられるためです。
査定額だけでなく、その価格になった根拠、販売方法、想定する買主、売却までの進め方を確認しましょう。
転勤で売却期限がある場合は、特に「いくらで売れるか」と同時に「いつまでに売る必要があるか」を伝えることが重要です。
持ち家を賃貸に出すメリット・デメリット
転勤中も持ち家を残しながら家賃収入を得られる
持ち家を賃貸に出す方法なら、家を手放さずに所有し続けられます。
転勤から戻ってきたときに自宅として使える可能性を残しながら、入居中は家賃収入を得られる点が大きな特徴です。
「転勤は一時的で、いずれ元の家に戻りたい」という人にとって、売却よりも検討しやすい選択肢になるでしょう。
ただし、家賃収入がそのまま利益になるわけではありません。管理会社へ委託する場合は管理委託費がかかり、設備が故障すれば修繕費も必要です。入居者が退去すれば次の入居者を募集するまで家賃収入が途切れることもあります。
さらに、持ち家を賃貸物件として運用する以上、オーナーとして判断しなければならないことも増えます。
そのため、家賃がいくらになるかだけで決めるのではなく、年間の収入と支出を見たうえで、転勤中に持ち家を維持する意味があるのかを考えることが大切です。
賃貸にすると発生する負担とリスク
自宅として住んでいたときと、賃貸物件として所有するときでは、必要な対応が大きく変わります。
入居者を募集し、契約を結び、家賃を管理する必要があります。入居後も、給湯器やエアコン、水回りなどに不具合が起きれば対応が必要です。退去時には室内の確認や原状回復、次の入居者募集も発生します。
転勤先が近ければ自分で対応できることもありますが、遠方への転勤ではそうはいきません。仕事をしながら突然の設備トラブルに対応するのは難しく、入居者との連絡も負担になります。
また、空室になれば家賃収入は発生しません。賃貸需要が十分にある地域でも、募集条件が市場と合っていなければ空室期間が長引くことがあります。
こうした事情から、転勤中だけ賃貸する場合は、管理会社へどこまで任せるのかを事前に決めておくことが大切です。
転勤期間だけ貸したいなら契約方法に注意
「転勤が終わったら自分で住みたい」と考えている場合は、賃貸借契約の内容を慎重に確認する必要があります。
賃貸借契約には、一般的な普通借家契約のほか、契約期間を定めて更新がない形で契約する定期借家契約があります。
転勤から戻った後に自宅として使いたいのであれば、入居者がいる状態で帰任することにならないよう、契約期間や契約形態を事前に検討する必要があります。
「数年だけ貸すつもりだったのに、戻るタイミングで入居者に退去してもらえるとは限らない」という点は、持ち家を賃貸する際に特に注意したいところです。
一方で、定期借家契約にすれば必ず希望どおりの時期に家を使えるという意味でもありません。契約条件や手続きについて、事前に不動産会社や管理会社へ確認しておくことが必要です。
転勤期間がある程度分かっているなら、その期間を伝えたうえで、どのような契約方法が適しているのか相談しましょう。
持ち家を賃貸に出す前に確認したい住宅ローンの条件
住宅ローンを利用して購入した自宅を、そのまま賃貸物件として貸し出せるとは限りません。
住宅ローンは、契約時の利用目的や条件が設定されているためです。自宅として利用していた物件を賃貸に変更する場合は、借入先の金融機関に確認してから進める必要があります。
特に注意したいのが、「転勤だから大丈夫だろう」と自己判断してしまうことです。転勤という事情がある場合でも、具体的な取り扱いは金融機関や契約内容によって異なります。
まずは金融機関に転勤が決まったこと、現在の持ち家を賃貸にしたいことを伝え、必要な手続きや条件を確認します。そのうえで、賃貸に出した場合の家賃相場や収支を不動産会社に相談すると、順番を間違えずに進めやすくなります。
住宅ローンの扱いが整理できないまま入居者募集を始めると、後から計画を変更しなければならなくなる可能性があります。賃貸を選ぶなら、最初の確認項目として押さえておきたいポイントです。
家賃はいくらに設定する?収支を見るときの考え方
持ち家を賃貸に出す場合、「月いくらで貸せるか」は大切ですが、それだけでは収益性を判断できません。
家賃収入から管理委託費や修繕費などの支出が発生するほか、固定資産税などの所有コストもあります。入居者が退去したときには、次の募集まで空室になる可能性もあります。
そのため、提示された家賃だけを見て「これなら住宅ローンを払えそう」と判断するのは危険です。
周辺の類似物件がどの程度の家賃で募集されているのか、駅からの距離や築年数、間取り、設備などを踏まえて適正な募集条件を確認しましょう。
また、高い家賃を設定すれば収入が増えるとは限りません。相場から離れすぎると問い合わせが減り、空室期間が長引くことがあります。
賃貸経営では、家賃の高さよりも「入居者が見つかり、安定して入居してもらえる条件か」を考えることが重要です。
持ち家の賃貸管理を任せるなら何を見る?
遠方へ転勤する場合、持ち家の賃貸管理を管理会社へ委託する方法があります。
ここで確認したいのが、管理料だけではありません。入居者募集をどこまで行うのか、家賃の集金や滞納対応を任せられるのか、設備トラブルの一次対応をしてもらえるのか、退去時にはどこまで対応するのかなど、管理範囲を確認する必要があります。
同じ「管理委託」でも、会社によって対応内容は異なります。
また、転勤中のオーナーにとっては、問題が起きたときに連絡が取れるかどうかも重要です。夜間や休日の設備トラブルについてどのような対応をするのか、修繕が必要になった場合にどのような流れでオーナーへ確認するのかも聞いておきましょう。
管理料が安いかどうかだけでなく、「自分が転勤先にいても安心して任せられるか」という視点で比較することが大切です。

持ち家を空き家のまま残すメリット・デメリット
家を手放さず、戻りたいときに戻れる
売却も賃貸も選ばず、持ち家を空き家のまま残す方法もあります。
最大のメリットは、家を手放さず、他人にも貸さずに維持できることです。転勤期間が短く、帰任後に今の家へ戻る可能性が高いなら、賃貸のために入居者を募集する必要もありません。
また、家具などを残したままにできるため、転勤から戻ったときに生活を再開しやすいという面もあります。
一方で、空き家にしたからといって住宅関連の負担がなくなるわけではありません。住宅ローンが残っていれば返済は続きますし、固定資産税などの負担もあります。
さらに、誰も住んでいない家は傷みやすく、設備の不具合にも気付きにくくなります。
短期間の転勤なら合理的な方法でも、転勤が長期化した場合には改めて賃貸や売却を検討する必要があります。
空き家でもお金がかかることを忘れない
「誰も住まないのだから、賃貸に出すよりお金がかからない」と考えるのは少し注意が必要です。
空き家でも固定資産税などの負担は続きます。住宅ローンが残っている場合はもちろん返済も継続します。建物や設備は使っていなくても経年劣化するため、修繕が必要になることもあります。
さらに、戸建ての場合は庭や外構の管理も必要です。郵便物がたまったり、換気不足で湿気がこもったりすると、建物の状態を悪化させる原因になることがあります。
遠方へ転勤する場合、自分で定期的に確認するのは簡単ではありません。家族や親族に頼めるなら方法の一つですが、長期間にわたって負担をお願いできるかも考える必要があります。
空き家を選ぶなら、「年間でどれくらいの維持費がかかるのか」「誰が定期的に見に行くのか」まで決めておくことが大切です。
遠方の空き家は管理が難しい
転勤先が持ち家から近ければ、自分で定期的に見に行くこともできます。しかし、遠方への転勤になると、移動時間や交通費の問題が出てきます。
そこで、親族に管理を依頼する方法や、空き家管理を行うサービスを利用する方法があります。
親族に依頼する場合は、換気や通水、郵便物の確認など、何をどの程度お願いするのかを明確にしておきましょう。「たまに見ておいて」とだけ頼むと、必要な対応が抜けてしまう可能性があります。
管理サービスを利用する場合も、訪問頻度や作業内容を確認する必要があります。料金だけで判断せず、室内まで確認するのか、外観だけなのかなどを確認しましょう。
転勤期間が短ければ空き家管理の負担を許容できるかもしれません。しかし、転勤が延長された場合には、空き家を維持し続ける意味を改めて考えることも必要です。
空き家のままにする期間が長い場合は再検討も必要
転勤が決まった時点では「2年くらいで戻る」と考えていても、実際の勤務期間が予定どおりになるとは限りません。
転勤が延長されたり、別の地域へ再び転勤したりすれば、持ち家が空き家のままになる期間も長くなります。
短期間なら許容できた固定資産税や管理費、移動の負担も、数年単位になると無視しにくくなります。建物の劣化リスクも高まるため、空き家にしていること自体が最善とは限りません。
そのため、空き家を選んだ場合でも、一度決めたらそのままにするのではなく、半年後や1年後など一定のタイミングで見直すことが大切です。
「転勤が終わるまで空き家」という前提ではなく、「予定より長引いたら賃貸や売却も検討する」と最初から決めておくと、状況が変わったときにも動きやすくなります。
転勤で持ち家をどうするか決める判断基準
「いつ戻るか」で考える
持ち家をどうするかを決めるとき、まず考えたいのが「将来その家に戻る可能性」です。
帰任時期が決まっていて、数年後には現在の家に戻る予定なら、売却してしまうと住み替えが必要になります。賃貸や空き家として残すほうが、将来の選択肢を残しやすいでしょう。
一方、転勤期間が長期化する見込みで、戻る可能性が低いのであれば、所有し続けるコストと手間を考える必要があります。
ただし、転勤期間だけで判断するのは十分ではありません。転勤先での生活が長くなる可能性や、家族の進学、勤務地の変更なども含めて考えます。
「会社からいつ戻れると言われているか」だけでなく、「自分たちは本当に数年後もこの家に住みたいのか」と考えると、判断しやすくなります。
「家計への負担」で考える
持ち家を残すなら、転勤後の家計を確認することも欠かせません。
現在の住宅ローンに加えて、転勤先で家賃が発生する場合、住居費が二重になる可能性があります。会社から住宅手当が出るとしても、自己負担がどの程度になるのかを確認しておきましょう。
賃貸に出す場合は家賃収入を得られますが、そこから管理費や修繕費などの支出が発生します。空室期間があれば、その間は家賃収入がありません。
空き家なら家賃収入はないため、所有コストをそのまま負担することになります。
一方で、売却すれば持ち家に関する支出を整理できますが、住宅ローン残債や売却費用を考える必要があります。
毎月いくら入るかだけではなく、年間でどれくらいの支出があるのかを並べてみると、選択肢の違いが見えやすくなります。
「将来その家に住みたいか」で考える
「持ち家を残すかどうか」と「将来その家に住みたいかどうか」は、分けて考える必要があります。
子どもが成長して家族構成が変われば、現在の間取りが合わなくなることがあります。転勤先で新しい生活が始まり、将来もその地域に住みたいと思うようになるかもしれません。
逆に、子どもの学校や親の介護などを考えると、将来的に現在の家へ戻りたいというケースもあります。
今の家に住み続けたい理由がはっきりしているなら、賃貸や空き家として残す意味があります。一方、「せっかく購入したから」という理由だけで持ち続けるのであれば、所有コストを含めて見直してみる価値があります。
不動産は一度売却すると簡単には元に戻せません。だからこそ、現在の資産価値だけでなく、数年後の家族の暮らしまで考えて決めることが重要です。
| 選択肢 | 向いているケース | 主な負担・注意点 |
| 売却 | 戻る予定がなく、管理負担をなくしたい | 売却費用、住宅ローン残債、将来の住まい |
|---|---|---|
| 賃貸 | 家を残しつつ収入を得たい | 入居者対応、修繕、空室、契約条件 |
| 空き家 | 将来戻る可能性が高く、貸したくない | 維持管理費、固定資産税、遠方管理 |
3つを比べると、売却は「所有をやめる」、賃貸は「所有しながら活用する」、空き家は「所有しながら使わずに残す」という違いがあります。
どの方法にもメリットとデメリットがあるため、単純に「賃貸なら家賃が入るから得」「空き家なら費用が少ない」「売却なら管理が楽」と決めることはできません。
たとえば、賃貸なら家賃収入を得られても、入居者が決まらなければ収入はありません。空き家なら入居者対応は不要ですが、維持管理を自分で行う必要があります。売却なら管理負担はなくなりますが、将来その家へ戻る選択肢を失います。
最終的には、転勤期間、帰任の可能性、家計、住宅ローン、家族の将来を一つずつ確認し、自分にとって負担の少ない方法を選ぶことが大切です。
転勤で持ち家を賃貸に出すなら管理会社をどう選ぶ?
管理会社に任せる範囲を最初に決める
持ち家を賃貸に出すと決めたら、次は「誰が管理するか」を考えます。
オーナー自身で管理することもできますが、転勤先が遠い場合は、入居者からの連絡にすぐ対応できないことがあります。設備の故障や水漏れなど、現地での対応が必要になるケースもあるためです。
管理会社へ委託する場合は、まず任せる範囲を確認しましょう。
入居者募集だけなのか、契約手続きまでなのか、家賃管理や滞納対応も含まれるのか。さらに、設備トラブルの受付、修繕手配、退去立ち会いまで対応してもらえるのかによって、オーナー自身の負担は変わります。
特に転勤中は、「何かあったら自分が現地へ戻る」という管理方法が難しくなります。
管理会社に相談するときは、転勤先から自分がどこまで対応できるのかを伝え、その条件で必要な管理範囲を確認しておくと安心です。
管理料だけでなく募集力や対応内容を見る
管理会社を選ぶとき、管理料の安さだけを比較するのは避けたいところです。
月々の費用が安くても、入居者募集がうまくいかず空室期間が長くなれば、家賃収入が減ってしまいます。設備トラブルへの対応が遅れれば、入居者との関係にも影響します。
確認したいのは、どのような方法で入居者を募集するのか、周辺の賃貸市場をどう見ているのか、家賃はいくらを提案するのかといった点です。
また、管理料に何が含まれているのかも確認します。修繕が発生した場合に別途費用がかかるのか、退去時の対応費用はどうなるのかなど、契約前に聞いておくことで後から「思っていたより費用がかかった」という事態を防ぎやすくなります。
転勤中の持ち家は、自分が現地にいない状態で運用することになります。だからこそ、価格だけでなく、対応力や募集方針まで比較することが大切です。
1社だけで決めず複数社を比較する理由
管理会社を選ぶ際は、最初に相談した1社へそのまま依頼するのではなく、複数社から話を聞いてみる方法があります。
理由は、管理会社によって物件の見方や提案内容が異なるからです。
ある会社は現在の家賃相場を踏まえて慎重な賃料を提案する一方、別の会社は設備や募集方法を工夫することで、より高い賃料を狙えると考えるかもしれません。管理料や管理範囲にも違いが出ることがあります。
複数社を比較すると、「この会社は入居者募集を重視している」「こちらは管理費用が分かりやすい」といった違いが見えやすくなります。
転勤まで時間がない場合でも、比較する項目を絞れば判断しやすくなります。

転勤で持ち家をどうするか決める前に確認したいお金と手続き
住宅ローンと新居の費用をまとめて考える
転勤で持ち家をどうするか考えるとき、現在の住宅だけを見ていると家計全体を見誤ることがあります。
転勤後には、新居の家賃や引っ越し費用などが発生する可能性があります。会社から補助が出る場合もありますが、自己負担額は勤務先の制度によって異なります。
持ち家を残して賃貸するなら、家賃収入と住宅ローン返済だけを比べるのではなく、管理委託費や修繕費、空室期間なども含めて考えましょう。
空き家なら家賃収入がないため、転勤後の住居費と現在の持ち家にかかる費用が重なります。
売却の場合も、売却代金がそのまま使えるわけではありません。ローン残高や売却にかかる諸費用を確認する必要があります。
「持ち家をどうするか」と「転勤後の生活費」を別々に考えるのではなく、転勤後の家計全体で比較することが重要です。
売却・賃貸それぞれで発生する費用を確認する
売却する場合は、仲介手数料などの諸費用が発生します。住宅ローンが残っていれば、その返済も考えなければなりません。
賃貸では、管理会社へ委託する場合の管理委託費や、設備の修繕費などが発生します。入居者が退去した際には、次の募集に向けた費用が必要になることもあります。
空き家でも、固定資産税や保険、建物の修繕などの費用は続きます。
税金についても、売却した場合と賃貸した場合では確認すべき内容が変わります。税制や住宅ローンの扱いは個々の条件によって異なるため、必要に応じて税理士や金融機関などにも確認しましょう。
不動産会社には物件価格や賃料、管理内容を相談し、金融機関にはローンについて確認するなど、内容に応じて相談先を分けることも大切です。
転勤が決まったら「期限」を逆算して動く
転勤は、辞令から引っ越しまでの期間が限られていることがあります。
そのため、「まだ先だから」と持ち家の問題を後回しにすると、売却や賃貸の準備が間に合わなくなる可能性があります。
まず転勤日と転勤期間を確認し、次に住宅ローンの条件を確認します。そのうえで、売却・賃貸・空き家の3つについて、それぞれどの程度の費用や手間がかかるのかを比較します。
賃貸を検討するなら、家賃査定や管理会社選び、入居者募集まで時間が必要です。売却の場合も、査定から販売、契約、引き渡しまで一定の期間が必要になります。
だからこそ、転勤が正式に決まった段階で早めに情報を集めておくことが大切です。
すぐに結論を出す必要はなくても、複数の選択肢を比較できる状態を早く作っておけば、転勤直前に慌てて決める必要がなくなります。
よくある質問
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転勤で持ち家を賃貸に出す場合、管理会社選びは「管理料が安い会社を探す」というだけではありません。
転勤先から物件を管理することを考えると、入居者募集の方法や管理範囲、費用、設備トラブルへの対応、将来戻ることを見据えた契約の考え方など、自分の状況に合った提案をしてくれる会社を選ぶことが大切です。
ただ、複数の管理会社を自分で探して、それぞれに問い合わせ、同じ条件を伝えて比較するのは手間がかかります。
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転勤で持ち家をどうするか迷っている段階でも、賃貸にした場合の管理内容や費用、募集方針を複数社から聞いてみることで、売却や空き家と比べたときの判断材料を増やせます。
「このまま空き家にしておくべきか」「賃貸に出したほうがよいのか」と迷っているなら、まずは複数の管理会社の提案を比べてみるのも一つの方法です。自分の物件をどう活用できるのかを具体的に知ることで、転勤後の持ち家について、より納得できる判断をしやすくなります。
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免責事項
本記事は、2026年7月時点の法令、ガイドライン(環境省・国土交通省等)および一般的な実務情報に基づいて作成されています。執筆には万全を期しておりますが、その内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。
本記事は、不動産経営における一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の契約内容やトラブルに対する具体的な判断・助言を行うものではありません。騒音トラブルへの対応や管理にあたっては、必ずご自身の管理委託契約書や関係規約をご確認のうえ、必要に応じて管理会社、弁護士、専門家等へご相談ください。
また、法令の改正や各種ガイドラインの更新、物件ごとの条件や地域差等により、本記事の内容と実際の運用が異なる場合があります。最終的な判断は必ず最新の情報および個別事情に基づいて行ってください。
著者プロフィール
カソット コラム編集部
カソットは、不動産オーナーと管理会社をつなぐマッチングサービスです。
管理会社選びに悩むオーナー様に向けて、複数の管理会社を比較できる機会を提供するとともに、賃貸経営に役立つ情報発信を行っています。
これまで400社以上の不動産会社のWeb集客・サイト制作を支援してきた経験をもとに、現場で実際に起きている課題や、管理会社ごとの対応の違いを踏まえた実務的なノウハウをお届けしています。
「適切な管理会社選びが、賃貸経営を大きく変える」
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